研究課題/領域番号 |
23360153
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩田 聡 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (60151742)
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研究分担者 |
加藤 剛志 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50303665)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 磁歪 / 歪みセンサ / 巨大磁気抵抗効果 / スピンバルブ膜 / 磁気異方性 / 触覚センサ |
研究概要 |
歪みセンサの開発を目的に,高い磁歪定数を示すことが知られているFeSiB磁性層を磁化自由層に利用したスピンバルブ膜FeSiB(10nm)/CoFeB(1nm)/Cu(2.2nm)/CoFe(3nm)/MnIr(10nm)を厚さ約120μmのカバーガラス上に作製した。この膜を幅100μm,長さ1200μmの細線に加工した。このとき,磁化容易軸は,細線の長さ方向に対して直交方向とした。このサンプルを直交する磁界を発生する2つのヘルムホルツコイルの中に入れ,磁化容易軸に垂直にバイアス磁界を加えて,磁化自由層を困難軸方向に向けるとともに,磁化容易軸方向に1kHzの交流磁界を加えた。この交流磁界により,磁化自由層の磁化方向は振動的に変化して,スピンバルブ膜の細線の電気抵抗は1kHzで変化する。このスピンバルブの細線を形成したカバーガラス基板をヘルムホルツコイルの中で片持ちに支持して,他端をマイクロメータで,基板を湾曲させた。このときに1kHzの出力信号の振幅の変化を観測したところ,張力から圧縮の歪みに対して出力が連続的に変化することが確認され,歪みセンサとして動作することが示された。 さらに,破損しやすいカバーガラスを利用して実用的なセンサデバイスを実現することは,困難と予想されるため,歪みセンサの基板材利としてプラスチック基板の検討を行った。用いた基板は,188μmのPET基板である。この基板上にGMRを示すスピンバルブ膜を成膜したところ,全く磁気抵抗効果を示さなかったため,基板表面の形状を原子間力顕微鏡で観察したところ,10 nmの凹凸(Rms)があり,表面平坦性が悪いことが分かった。そのため,PET基板上にスピンコーターでポリイミドレジストを塗布し,上記と同じ構成のスピンバルブ膜を成膜して,磁気抵抗特性を評価したところ,2.3%の磁気抵抗変が得られた。この値は,ガラス基板上に成膜した同じ構成のスピンバルブ膜の磁気抵抗変化とほぼ同等であった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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