研究課題/領域番号 |
23360154
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
江川 孝志 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (00232934)
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キーワード | MOCVD / GaN / 選択再成長 / マイグレーション / 暗点欠陥密度 / CL / 成長速度 / 表面平坦性 |
研究概要 |
有機金属気相成長(MOCVD)法を用いてサファイア基板上に成長したGaN(2.0μm)を用いて、選択再成長した時の成長速度及び表面平坦性の成長圧力(100torr、300torr、500torr、760torr)依存性を調べた。選択再成長用にマスクとしては、SiO_2を用いた。また、カソードルミネッセンス(CL)法を用いて暗点欠陥の数を測定することにより、暗点欠陥密度の選択再成長面積依存性を調べた。 設計値の成長膜厚を100nmとした場合の選択再成長領域の端部及び中心部での膜厚は、100torrでは263nm、159nm、300torrでは511nm、228nm、500torrでは407nm、152nm、760torrでは346nm、148nmとなった。選択再成長領域の端部において、成長膜厚が大きくなっていることから、成長速度が大きい結果が得られた。これが、マスクとして使用したSiO_2上をGaがマイグレーションし選択再成長領域の端部に到達したためと考えられる。また、100torrの成長圧力では、成長速度の場所依存性が小さかった。 また、原子間力顕微鏡を用いた中心部の表面平坦性の測定(RMS)では、100torrでは0.138nm、300tofrでは0.124nm、500torrでは0.094nm、760torrでは0.165nmとなり、大きな依存性は見られなかった。 EBIC法を用いた暗点欠陥密度の選択再成長面積依存性では、選択再成長させる面積が小さいほど、暗点欠陥密度が減少する傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
有機金属気相成長(MOCVD)法を用いて成長したGaNを用いて、選択再成長した時の成長速度及び表面平坦性の成長圧力依存性、暗点欠陥密度の選択再成長面積依存性を調べ、基本的な成長条件が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
選択再成長した時の成長速度、表面平坦性、暗点欠陥密度のIII/V比依存性を調べることにより、選択再成長条件の最適化を行い、これを用いたデバイス(ショットキーダイオード、AIGaN/GaN HEMT)特性評価を行う。
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