研究概要 |
計測技術のコアとなる、チップ上に吸着担持させたグルコースオキシダーゼ(GOD)を用いてたグルコース濃度の定量的計測について詳細な検討を行った。生体内で継続動作させるため、第一選択として、メディエータを用いず、グルコース酸化によって生じる過酸化水素を検出する方法を選択した。 グルコースオキシダーゼの担持膜として、PHEMAを用いて基礎検証を行った。電極材料としてAg,Au,Pt等を候補とし、これらの金属上にグルコースオキシダーゼ担持PHEMA薄膜を形成して計測条件の最適化を行った。その結果、平成24年度に実施するCMOSチップによる計測機能の検証については、Ptバルク電極をボールボンディングの技術によってCMOSチップ上に形成して利用する方法を第一選択とすることとした。 マイクロチップを構成するCMOS回路のうちグルコースオキシダーゼ担持膜と組み合わせて電気化学計測を行うための計測回路を設計・試作した。本年度試作したチップは、Test Element Groupと呼ばれる、複数の基礎回路を独立して搭載し、個別の機能を検証するためのCMOS集積回路チップである。計測機能のフロントエンドとなる、CMOSチップ上の電極構造、および微小電流計測系の基礎回路を搭載した。 今回利用した0.35um標準CMOSプロセスにおける電極材料はAlであるため、CMOSチップ上に露出したAl電極上に計測用の新たな電極を形成する必要がある。AuおよびPtバンプ電極の試作を行い、電極形成条件の最適化を行った。またチップ周辺の防水プロセスについても試作と検証を完了した。
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