研究課題/領域番号 |
23360161
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小原 實 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90101998)
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研究分担者 |
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90327677)
斎木 敏治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70261196)
寺川 光洋 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (60580090)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ナノプロセシング / 近接場光加工 / ミー散乱 / 表面プラズモン / 近接場光トラップ / 表面周期リップル / プラズモン制御 / フェムト秒レーザプロセシング |
研究概要 |
表面機能光学素子開発に資するために、材料基板上で空間制御性の高い周期構造作製を目指し、表面プラズモンとMie散乱場を制御する成果を報告する。 1. ナノプラズモニック構造由来の増強電磁場で形成されるナノ構造が、long-rangeポラリトンの関与、基板の非線形光学相互作用、並びにプラズモンと基板表面鏡像電荷の結合等に起因することを実験的・理論的に明らかにした。非線形相互作用では、基板材料としてLiTiO3非線形結晶による微細周期構造作製を実験的に明らかにした。 2. 縞状の散乱テンプレート配置からの散乱場が誘導する周期構造場の形成を明らかにした。基板材料は、相転移材料として期待されるGeTe(結晶、非晶質)を採用し、周期構造を作製した。理論的に、縞状の散乱場発生構造を配置すると周期構造が制御できることが明らかにした。 3. 周期ナノ構造作製技術を各種材料基板へ展開した。すなわち、非線形光学材料、相転移材料、半導体基板上にナノ周期構造を作製し、その相互作用の特長を明らかにした。 4. ナノプラズモニクス(表面プラズモンポラリトン)と誘電体微粒子のMie散乱由来の散乱場がナノ周期構造を作製するテンプレートとしての基礎を形成した。すなわち、相転移材料では、基板はプロセス中半導体のままで、Mie散乱由来の遠方場と入射波の干渉で周期構造が作製される。GeTe基板では、プラズモン波は発生せず、熱過程で周期構造が作製できる仮説を提案した。Si基板では、フェムト秒レーザー照射中に、Si基板が半導体から金属化しプラズモン波が発生し、ナノ周期構造作製に関与している。 5. 研究の国際連携では、研究協力者のProf. E. Mazur (Harvard, USA)と共著の論文を国際会議で4編発表。Dr. N. Nedyalkov (ブルガリア科学アカデミー)と共著の論文を2編公刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実施2年度目の成果としては、各種材料に対して、プラズモン遠方場と入射波との干渉でナノリップル形成の基礎物理を明らかにした。国際会議での招待講演が2回あり、当該成果が国際的に評価されている証しである。国際連携では、研究協力者のProf. E. Mazur (Harvard, USA)と共著の論文を国際会議で4編発表した。Dr. N. Nedyalkov (Bulgarian Academy of Sciences)と共著の論文を論文誌に2編公刊した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は最終年度であるので、ナノプラズモニック散乱と誘電体微粒子Mie散乱をナノ周期表面構造作製の観点から得失を明らかにし、成果を取りまとめる。
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