研究課題/領域番号 |
23360169
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
山尾 泰 電気通信大学, 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター, 教授 (10436735)
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研究分担者 |
松浦 基晴 電気通信大学, 先端領域教育研究センター, 特任准教授 (40456281)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 信号処理 / 光ファイバ無線 |
研究概要 |
新世代移動通信システムの展開に必須である光ファイバ無線前進基地局技術として(a)E-O/O-E変換での非線形の影響を受けない包絡線パルス幅変調(EPWM)送信法に基づく光無線信号伝送方式の研究と(b) 1本の光ファイバで電力と無線信号を同時に伝送できる前進基地局構成法の研究を行う。EPWM送信法は飽和高周波電力増幅器で非線形の影響を受けることなく高効率な送信が可能であるが、その適用範囲を光信号伝送の領域に拡張することは世界でも例がない独創性の高い技術であり、そのインパクトは大きい。平成25年度は以下を行った。 (1)提案方式と従来方式の非線形に対する影響の詳細解析: 直接DFBレーザダイオード変調器の非線形性の影響を詳細に検討し、この特性を精確に記述できる非線形特性モデルを提案した。次に既提案の量子化雑音キャンセル法の効果を実験で確認し量子化雑音をBPFとの組合せで十分抑えられることを明らかにした。 (2)無線信号と高出力レーザ信号との多重伝送法の検討: 光無線信号と高出力レーザ信号を多重伝送するため、高出力レーザ信号波長に830nm帯、光無線信号波長に1550nm帯を用いて波長多重方式による実験を行い、レーザ出力が2Wにおいて光無線信号を確実に分離できることを確認した。 (3)伝送実験系の拡張(STEP2)と多重伝送実験の実施・評価: (2)に基づいてEPWM光無線伝送実験系(STEP2)を構築し、電力同時伝送の無線信号特性への影響がないことを確認し、提案法の基本的な有効性を確認した。 (4)さらに大電力の光給電を可能とするため、通信用の小コアと電力伝送用の大口径クラッドで構成されるダブルクラッド光ファイバを用いた無線信号と高出力レーザ信号の同時伝送実験を行い、4W出力においても多重伝送可能なことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
E-O/O-E変換での非線形の影響を受けない包絡線パルス幅変調(EPWM)送信法に基づく光無線信号伝送方式の提案法の基本的な有効性を確認した。さらに、光給電技術について独自の技術を発展させ、高い実用性を示す実証実験にも成功している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、光給電技術と包絡線パルス幅変調(EPWM)送信法を融合した光ファイバ無線伝送の詳細な性能評価を実施し、本研究の有効性を確定する。
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