研究課題/領域番号 |
23360171
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 正行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10181786)
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研究分担者 |
井上 恭 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10393787)
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キーワード | フォトニックネットワーク / 先端的通信 / 超高速情報処理 |
研究概要 |
種々の波形劣化および雑音への耐性に優れた長距離高速光ファイバ信号伝送の実現を目的として、光信号処理と電気信号処理を混在させた伝送劣化修復方式の研究を行っている。平成23年度は、 1.2つの遅延干渉計、2つの平衡光検出器、および光IQ変調器からなるDQPSK信号再生器を作成し、振幅に揺らぎを加えた毎秒10Gシンボル(毎秒20Gビット)の信号のパワーペナルティが低減することを確認した。 2.ホモダイン検出を用いて位相変調信号を強度変調電気信号に変換しそれを用いてマッハツェンダー変調器を駆動するタイプのコヒーレント信号再生器を提案し、BPSK信号の劣化を低減できることを実験により確認した。 3.複数個の信号再生器が配置されたOOK信号伝送において、伝送路に分散がある場合に信号再生器において生ずる非線形符号間干渉による検出誤りを、受信機における最尤系列推定によりある程度低減できることを数値計算により確認した。 4.光分岐器、光検出器、マッハツェンダー強度変調器からなるフィードフォワード強度揺らぎ抑圧回路を構成し、雑音光が重畳された強度変調信号光のビット誤り率(BER)改善効果、及び消光比改善効果を実験により確認した。また、強度変調器を電界吸収型とすることによる偏波無依存動作も確認した。 5.上記強度揺らぎ抑圧回路による雑音光が重畳されたDPSK信号光のBER改善効果、及びスペクトル狭窄化により波形が歪んだDPSK信号のアイ開口改善効果を実験により確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
光・電気ハイブリッド型信号再生器について、フィードフォーワード制御型および、光信号を電気信号に変換してから雑音除去を行い再度光信号に変換するタイプの再生器両者について、予定していた研究を実施した。また、全光型信号再生方式についても検討した。 さらに、分散によりパルス幅が広がった信号が再生器に入力される際に生ずる非線形シンボル間干渉を、受信端における最尤系列推定処理によって除去できることを示した。
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今後の研究の推進方策 |
概ね計画通りに研究を進める予定である。多値変調信号に対応できる信号再生器構成に関する研究を進めたい。
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