研究概要 |
本研究の目的は,香り分子の脱離を高速に行う香りセンサの開発とそれをアレイ状に配置したセンサアレイおよびモレキュラーシープを用いた高感度香り計測装置の作製と電子調香師の構築および香り制御による快適な香り空間の創生を行うことである. 本年度は新しい香りセンサの開発と計測装置の作製,電子鼻(電子調香師)および所望の香り空間を創生する香り計測システムの作成を行った. 1.香りセンサの開発:本研究で用いる金属酸化物p型半導体は錫の代わりにマグネシウムクロメートを利用し,香りの有無に対する抵抗変化量を大きくすることによって高温加熱による香り離脱を高速に行った.また,このセンサは基板上に多数アレイ状に配列することが容易であるため,これを用いた超小型かつ省エネタイプの香りセンサアレイを作製した. 2.香り計測装置の作製:極微量の香り成分を感知するためには,空気中に存在している水分や香りの溶液に含まれているエタノールなどを事前に取り除くことが必要である.本研究では,香り計測データをモレキュラーシープに吸着させ,香り成分を抽出するモレキュラーシープ法による香り計測装置を新たに作製した.
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