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2011 年度 実績報告書

チャネルド偏光計の新原理と特性の改善

研究課題

研究課題/領域番号 23360176
研究機関北海道大学

研究代表者

岡 和彦  北海道大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00194324)

キーワードチャネルド偏光計測 / 撮像偏光計測 / 高速偏光計測 / 高精度偏光計測 / サバール板
研究概要

チャネルド偏光計測法は、偏光状態の波長分布ないし2次元空間分布を、偏光変調素子を用いずに測定できる方法であり、他の偏光計測法には無い高速、小型、高安定などの様々な特徴を有している。本研究では、この計測法をさらに発展させるために、原理の改良と特性の抜本的な改善を目指している。
平成23年度の主な成果は、撮像偏光計測用チャネルド偏光計の主たる誤差原因の発見とその除去である。この偏光計では、2枚の変形サバール板をフーリエ面に配置した結像光学系を利用することにより、被測定光の偏光情報を持つ3種の干渉縞が重畳された画像を得る。この画像から、空間周波数フィルタリングを用いた信号処理により、被測定光の偏光状態の2次元空間分布をスナップショットで確定することができる。ただし、本研究開始以前の本偏光計では、各ストークスパラメータで最大で25%もの極めて大きな誤差が生じうることが問題であった。そこで本研究において我々は、実験と理論の両面から本偏光計の基礎特性を精査し、残余の誤差の主要因が①高空間周波数の干渉縞に対するCCDカメラの特異な応答、②変形サバール板の偏光成分ごとの透過率の不均一、③温度変動の3つであることを突き止めた。①は、本偏光計が、偏光情報のキャリアとして空間周波数の非常に高い干渉縞を複数利用していることに起因する。多くのCCDカメラには、ラスタースキャンの不完全さによって極めて細かい干渉縞を正確に取得できず、本来とは異なった空間周波数の周期ノイズ成分を重畳してしまうという特性がある。一方②と③は、変形サバール板の振幅・位相特性の不完全さと不安定さに起因する。我々はこれらの誤差を除去ないし補償するために、受光系の改良を行うとともに自己較正法による信号処理技術を開発した。その結果、系統誤差を約5%に、繰り返し再現性を約0.6%に、それぞれ低減することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究開始時に掲げた2つの主目標のうち、一方(撮像偏光計測用チャネルド偏光計の精度向上)について、おおよそ達成することができた。また、もう一方の主目標(チャネルド偏光計の新原理の開発)についても、予備的な実験に成功している。

今後の研究の推進方策

引き続き、上記2つの主目標を中心に、チャネルド偏光計に関する研究をすすめる。2年目は特に、「チャネルド偏光計の新原理の開発」についての研究の比重を高める。まず、初年度の理論検討と予備実験の結果を下に設計の最適化を行う。さらに、この設計に基づいて実際の測定系を作成し、原理の動作確認をするとともに基本特性の評価を行う。また、撮像偏光計測用チャネルド偏光計の精度向上についても、さらなる性能向上を目指して研究をすすめる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] サバール板を用いた撮像偏光計の誤差解析2011

    • 著者名/発表者名
      北原 倫太郎、岡 和彦、村上 尚史、馬場 直志
    • 学会等名
      Optics & Photonics Japan 2011
    • 発表場所
      大阪大学、吹田
    • 年月日
      2011-11-28
  • [学会発表] Channeled Spectropolarimetry : A Snapshot and Static Technique for Per-forming Spectroscopic Polarimetry2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiko Oka
    • 学会等名
      ISOT2011 International Symposium on Optomechatronic Technologies
    • 発表場所
      香港中文大学、香港、中国
    • 年月日
      2011-11-02
    • 招待講演

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公開日: 2015-07-13  

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