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2012 年度 実績報告書

ゲル分離と誘電泳動を利用した半導体カーボンナノチューブの選択的集積とセンサー応用

研究課題

研究課題/領域番号 23360180
研究機関九州大学

研究代表者

末廣 純也  九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (70206382)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード誘電泳動 / スピンカラムクロマトグラフィ / カーボンナノチューブ / ガスセンサ / カイラリティ / 界面活性剤
研究概要

本研究課題では、研究代表者(末廣)が世界に先駆けて開発した誘電泳動集積法によるカーボンナノチューブセンサの作製技術に半導体カーボンナノチューブの分離濃縮技術を組み合わせることによって、従来よりも高感度・高機能なセンサを作製する技術を確立することを目的として計画されたものである。平成24年度に得られた主な成果は以下の通りである。
1. スピンカラムとゲル濾過担体を用いる半導体CNTの分離・濃縮法(スピンカラムクロマトグラフィ法)を考案し、半導体CNTがカイラリティに依存して分画されカイラリティ(n,m) = (9,4)がセンサ応答に大きく寄与していることを示唆する結果を得た。
2. スピンカラムクロマトグラフィ法によって、(n,m) = (9,4)のカイラリティを更に選択的に分離・濃縮する手法を提案し、同手法で分離・濃縮したCNTを用いてガスセンサを作製し、その二酸化窒素応答を比較した
3. 上記の分離法により得られた2つのフラクション(D1-1、D1-2)の吸光度を測定した結果、D1-1にカイラリティ(6,5)が、D1-2にカイラリティ(9,4)が多く含まることがわかった
4. これら2つのフラクションを用いて誘電泳動集積法によるガスセンサ作製を行いそのNO2応答を測定した。その結果、カイラリティ(9,4)が多く含まれるD1-2がD1-1と比べて、センサ感度が60 %以上向上するという結果となった。
5. 以上の結果より、カイラリティ(9,4)がセンサのNO2応答に高く寄与していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

計画当初に目標としていた半導体カーボンナノチューブの分離濃縮に加え、更にカイラリティに基づく分離の必要性と方法を見出し、NO2検出に寄与する主たるカイラリティの特定とその分離・濃縮・集積により、カーボンナノチューブガスセンサの大幅な感度向上に成功した。

今後の研究の推進方策

カイラリティ分離の精度を向上させると共に、NO2以外のガスについてもセンサ応答に最も寄与するカイラリティの同定とその分離濃縮技術を開発する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Chirality-Selective Fabrication of Carbon Nanotube Gas sensor Using Spin-Column Chromatography and Dielectrophoresis2012

    • 著者名/発表者名
      J. Suehiro
    • 学会等名
      The 14th International Meeting on Chemical Sensors
    • 発表場所
      Nurnberg, Germany
    • 年月日
      2012-05-21
  • [学会発表] カーボンナノチューブのカイラリティ分離・濃縮とカーボンナノチューブガスセンサへの応用:(1)スピンカラムクロマトグラフィ法によるカイラリティ分離

    • 著者名/発表者名
      小牟禮弘樹
    • 学会等名
      第65回電気関係学会九州支部連合大会
    • 発表場所
      長崎大学
  • [学会発表] カーボンナノチューブのカイラリティ分離・濃縮とカーボンナノチューブガスセンサへの応用:(2)カイラリティ濃縮によるカーボンナノチューブガスセンサの高感度化

    • 著者名/発表者名
      渡邉英明
    • 学会等名
      第65回電気関係学会九州支部連合大会
    • 発表場所
      長崎大学
  • [学会発表] カイラリティ分離した半導体カーボンナノチューブを用いたガスセンサの作製と評価

    • 著者名/発表者名
      渡邉英明
    • 学会等名
      第39回炭素材料学会年回
    • 発表場所
      長野市生涯学習センター
  • [学会発表] スピンカラムクロマトグラフィ法を用いたカイラリティ分離・濃縮によるカーボンナノチューブガスセンサの高感度化

    • 著者名/発表者名
      小牟禮弘樹
    • 学会等名
      電気学会全国大会
    • 発表場所
      名古屋大学
  • [学会発表] Application of dielectrophoresis to bio and chemical sensors

    • 著者名/発表者名
      J. Suehiro
    • 学会等名
      International Workshop on Dielctrophoresis and Its Applications
    • 発表場所
      Kitakyushu Science and Research Park
    • 招待講演
  • [備考] 末廣研究室ホームページ

    • URL

      http://hv.ees.kyushu-u.ac.jp/Lab-e/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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