研究課題/領域番号 |
23360181
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 健司 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (50202263)
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研究分担者 |
小野寺 武 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (50336062)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 匂いセンサ / 可視化 / 有機エレクトロニクス / 分子認識 / 表面プラズモン共鳴 |
研究概要 |
匂い情報を可視化(匂いコードによる数値化)を行うため,匂い物質を分子認識により補足・吸着する材料と匂い物質を光学的に検知できるセンシングフィルムの開発を行った.分子認識層には分子鋳型法による分子吸着サイトを持つ高分子フィルムを用い,その分子認識能力をSPME(固相マイクロ抽出)法によって濃縮サンプリングし,ガスクロマトグラフィ質量分析器(GC-MS)を用いて吸着分子の組成を分析し,匂い分子選択性があることを確認した.また,GC-MSは可視化対象の匂い物質を決定する際にも用い,例として人や食品などのサンプルから得られる匂い物質について分析を行い,有機酸類やケトン類,アルデヒド類を候補として絞り込んだ.匂い吸着層はこれらの匂い物質を対象として開発を進め,対象匂い分子への選択性を確認した.一方で,表面プラズモン共鳴(SPR)による励起増強蛍光法(SPFS)を用いて,蛍光標識した抗体により匂い分子を特異的かつ高感度に検出することを目的とし,SPRによる励起方法の検討を行った.光源の選定を行い,635 nmの半導体レーザー,プリズム,CMOSカメラを用いてクレッチマン配置によるSPR光学系を構築した.また,蛍光観察 用のフローシステムを構築した.以上の匂い物質認識と吸着検知原理を金ナノ粒子の局在プラズモン共鳴(LSPR)現象とカップリングさせるために,LSPRフィルムの光透過性変化による匂い物質吸着の検出能力を確認した.さらに,金ナノ粒子を用いたアレイ電極の作製を行い,匂い物質吸着を電気的なシグナルとして検知する技術を検討した.以上の基礎技術を組み合わせることでアレイセンサを構築する事が可能であり,化学物質空間を可視化できるセンサの可能性を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の要素技術,およびシステム構築に必要な基盤技術である匂い分子認識部,アレイ電極作製,表面プラズモン共鳴と励起増強蛍光法による分子間相互作用検出はいずれも研究開発が進んでおり,全体として順調に研究は進展している.
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今後の研究の推進方策 |
最終的なアレイ電極による匂い検出系,化学物質空間の可視化に関して,これまでの要素技術研究の成果を最終的にまとめ上げる必要があり,基盤技術に加え,最終年度はその点に集中した研究を推進する予定である.
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