研究概要 |
本研究では、一定の空間領域内での平均ひずみを計測するロングゲージ(領域)光ファイバ(LG-FOS)センサとその分布型センシング技術を開発するとともに、橋梁構造物の早期損傷検知と性能評価手法を確立し、これらを実装した早期SHMシステムを新たに構築することを目的とする。平成23年度の研究成果は下記のように要約する。 1. 光ファイバセンサの高精度化およびPPP-BOTDAによる動的センシング手法 光ファイバセンサにおける被覆-光ファイバ間のすべり制御法や引張補強手法を構築し、FBG,PPP-BOTDA方式,二種類の高精度化LG-FOSセンサの実製作を行い、精度や感度および耐久性能に関する各種検証試験を実施した。また、センサの高感度化も行い、5μ以下の動ひずみを上手く計測できるようになっている。一方、PPP-BOTDA方式の動的センシングについて、センサの精度,感度などの性能特性の究明や性能向上手法の開発を行ってきた。 2. 高精度損傷検知アルゴリズムの開発 LG-FOSセンサにより得られた動的ひずみによるモーダルアナリシスの研究を進め、構造物のひずみ固有ベクトルによるモーダル形状曲率や損傷状態の高精度な同定手法を構築した。また、LG-FOSセンサにより得られるひずみ分布の直接利用により、構造物の変形,荷重,内部損傷等を同定する手法も開発してきた。そして、柱・梁供試体の曲げ破壊試験を行い,同センサによるひび割れ発生,ひび割れ後の損傷レベル,鉄筋降伏などの早期検知に関する検討を行い、開発した各種同定手法の有用性と優位性を検討した。
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