研究課題/領域番号 |
23360188
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
呉 智深 茨城大学, 工学部, 教授 (00223438)
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研究分担者 |
原田 隆郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (00241745)
車谷 麻緒 茨城大学, 工学部, 講師 (20552392)
岩下 健太郎 名城大学, 理工学部, 准教授 (30544738)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 工学 / 土木工学 / 土木工学・施工・建設マネジメント / 維持・管理 / 光ファイバセンサ / 早期損傷検知 / 橋梁構造物 / 健全性モニタリング |
研究概要 |
1.光ファイバセンサの高精度化およびPPP-BOTDAによる動的センシング手法 高精度化・高感度化されたFBG方式ならびにBOTDA方式によるLG-FOSセンサの構造形式を構想し、実製作・性能究明および実用性を実験室レベルで検討した。また、LG-FOSセンサの構造形式を構想する際に環境ノイズ等の影響除去を試みており、実際に微小な動的歪を生じさせる実験を行い、開発されたセンサにおける環境ノイズ除去の状況を検討した。 2.高精度損傷検知アルゴリズムの開発 構造物のひずみ固有ベクトルを活用することによる、モーダル形状曲率や損傷状態の高精度な同定手法を構築し、LG-FOSセンサにより得られるひずみ分布の直接利用により、構造物の変形,荷重,内部損傷等を同定する手法を開発した。そのうえで、柱・梁供試体の曲げ破壊試験を行い、各種同定手法の有用性を検討した上で、構造物のひび割れや損傷の早期検知に対する各種指標の検討を行い、高精度損傷検知アルゴリズムの開発を進めた。 3.早期損傷検知システムの構築 開発したセンサ、装置、損傷検知アルゴリズムを複合化して、早期損傷検知システムを開発し、茨城県内のRC桁橋、新潟県内の既損傷PC箱桁橋、そしてアメリカでの既設構造物の損傷検知実証実験において、構築されたセンシングシステムを導入した。これらの実証実験の結果を取りまとめ、センシングによる動・静的ひずみ分布・応答を活用した、本研究において新たに構築した構造物の損傷評価法の検証を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、大きく分けて、センサおよび計測装置の高精度・高感度化、損傷検知アルゴリズムの構築、損傷検知システムの構築に関する研究を進めているが、いずれの研究に対しても、当初の計画通りに達成できている。特に、3番目のシステム構築については、国内、海外での実証実験も含んでおり、困難な課題であったが、研究者間で詳細に打ち合わせることにより、順調にセンシングシステムを導入、継続的な測定を行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
1.光ファイバセンサの高精度化およびPPP-BOTDAによる動的センシング手法 微小な動的歪を対象とした計測におけるノイズ除去法の開発を継続するとともに、高精度化されたセンサの動的センシングに関するノイズ除去法と耐久性設計法を構築する。 2.高精度損傷検知アルゴリズムの開発 構造物のひび割れや損傷の早期検知に対する各種指標の確立を目指して、実験的な検討を継続し、LG-FOSセンサによる地震による内部損傷および経年劣化の早期検知手法の確立を目指す。 3.早期損傷検知システムの構築 茨城県内のRC桁橋、新潟県内の既損傷PC箱桁橋およびアメリカでの既設構造物の損傷検知実証実験を継続するとともに、鉄道構造物にも同センシングシステムを実装し、本研究で開発された早期損傷検知システムの優位性と有効性を検討する。
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