• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

岩盤掘削ずりに対する溶出試験および不溶化・吸着試験の標準化

研究課題

研究課題/領域番号 23360202
研究機関北海道大学

研究代表者

五十嵐 敏文  北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90301944)

研究分担者 米田 哲朗  北海道大学, 大学院・工学研究院, 特任教授 (00002056)
川崎 了  北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00304022)
キーワード環境技術 / 地盤工学 / 土壌圏現象 / 地下水 / 固液相反応 / 溶出 / 不溶化 / 吸着
研究概要

自然由来の重金属類を含有する泥質岩を採取し,化学的・鉱物学的性状を明らかにし,バッチ溶出試験を実施した。その結果,泥質岩からは環境基準を超過するヒ素,ホウ素,セレンが溶出したが,含有量としてはバックグラウンド程度であることが明らかになった。さらに,溶出試験において固液比,溶出時間,振とう速度をパラメータとして変化させた。その結果,固液比の増加とともに溶出濃度が増加すること,溶出時間とともに溶出濃度が増加することが明らかになった。しかし,振とう速度の影響はあまり認められず,振とう速度を上昇させても溶出濃度の顕著な増加は認められなかった。一方,セレン,ホウ素は溶出開始後比較的早期に溶出するが,ヒ素の溶出はそれよりも遅くなった。このことは,共存するカルシウム濃度の影響を受けていることが推定される。すなわち,カルシウムの溶解・沈殿反応の際に,ヒ素もその沈殿物に取り込まれる可能性が示唆された。
上記の岩石からの溶出試験結果を踏まえ,溶出する重金属類に対する効果的な不溶化材・吸着材による吸着試験を実施した。その結果,ヒ素に対しては,人工材料,火山灰などの天然材料ともに吸着効果が高く,溶出ヒ素濃度を効果的に低減できたが,セレンに関しては吸着効果はほとんど認められなかった。また,ホウ素に対しては,一部の吸着材で吸着が認められた。とくに,不溶化・吸着効果が認められた材料は,酸化マグネシウムなどでアルカリ性で水酸化マグネシウムを生成し,その沈殿物の中にヒ素などを共沈させる作用を有する材料であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

岩石試料の採取およびそれを用いた重金属類に対する室内での溶出試験をほぼ終了した。また,天然および人工の不溶化材・吸着材を入手し,それらの各種重金属類に対する不溶化・吸着に関する室内試験をほぼ終了した。

今後の研究の推進方策

昨年度の成果を踏まえ,室内カラム試験および原位置カラム試験の仕様を明らかにするとともに,カラムを製作し,実施する。とくに原位置においては,現地状況などを踏まえ,設置位置・条件を決定し,実施する。なお,採用する対策法としては,現地で容易に入手できる天然材料および溶出重金属類に対する吸着・不溶化性能が良好な人工材料を併用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Immobilization of arsenic released from excavated rock affected by hydrothermal alteration2012

    • 著者名/発表者名
      C.B.Tabelin, T.Igarashi, T.Yoneda
    • 学会等名
      Proceedings of the 4th Regional Conference on Geological Engineering
    • 発表場所
      ラオプラザホテル,(ビエンチャン,ラオス)
    • 年月日
      20120312-20120313

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi