研究課題/領域番号 |
23360205
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
関口 秀雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 客員教授 (20027296)
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研究分担者 |
原口 強 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70372852)
山崎 秀夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (30140312)
細山田 得三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (70262475)
東 良慶 京都大学, 防災研究所, 助教 (50464201)
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キーワード | 国土保全 / 自然災害 / 海岸侵食 / 海浜変形 / 漂砂環境 / 洪水堆積物 |
研究概要 |
本研究は大別すると、三つの柱からなる。すなわち、「十年~数百年オーダーの海浜地形発達の復原」、「粒径を考慮した高解像度の堆積物収支の評価」および「流砂/漂砂の変換過程」の研究である。平成23年度には、上述の研究の3本柱をさらにブレークダウンした、以下の5つのサブ・プロジェクトを実施した。 1)外海に面する河口海岸の地形変化予測;進行性液状化・凝固モデルを拡張し、実スケールの海底流動変形予測に適用できることを確かめた。 2)海浜地形発達の可視化;新潟県野積海岸において表面波探査を実施し基盤深度を推定した。これをふまえて、オールコアボーリングを3本実施し、旧汀線から現汀線に至る約500mの砂浜海岸域において、泥岩基盤層を確認した。地中レーダ探査結果もふまえ、堆積相と地形発達(大河津分水通水以降の堆積物供給による)の関係を、鋭意、分析中である。 3)底質調査;野積海岸沖の3地点(水深30m、20m、15m)において海底堆積物の柱状コアをバイブロコアリング手法により採取した。コア採取時期が2011年新潟・福島豪雨直後であったため、生々しい洪水流出堆積物を含む連続コアを採取できたことは大きな収穫である。 4)海浜堆積物の堆積相分析と環境変遷評価;堆積物試料中の主要重金属の濃度分布を調べたところ、極細砂主体の堆積物であるため、有意かつ興味深い深度方向の濃度分布パターンを得ることができた。γ線スペクトロメトリ法により、堆積物の堆積速度の評価に向けて化学分析を進めている。 5)流砂/漂砂の転換機構;河口テラスにおける堆積物の貯留効果を評価するために、分析の基礎となる海底地形情報を収集するとともに、拡張one-lineモデルに基づく試算を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した研究計画をほぼ予定どおり実行することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度交付申請書に記載の研究計画を予定どおり実施する方針である。なお、海上音波探査機材の調達の目途がついたため、平成25年度実施予定であった海底基盤構造の音波探査調査を先行して試行することにより、調査成果検討の熟度を高めたいと考えている。
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