研究課題/領域番号 |
23360221
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
倉内 文孝 岐阜大学, 工学部, 教授 (10263104)
|
研究分担者 |
高木 朗義 岐阜大学, 工学部, 教授 (30322134)
宇野 伸宏 京都大学, 経営学研究科, 准教授 (80232883)
北浦 康嗣 法政大学, 社会学部, 准教授 (90565300)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 脆弱性 / 交通ネットワーク / 経済評価 / 接続性 / 地域耐災性評価 |
研究概要 |
本年度は,研究初年度に検討した地域耐災性指標や脆弱性概念の経済的意味づけに基づき,脆弱性概念を用いた政策評価手法の検討と,ロバスト道路ネットワークデザインのための数理計画モデルの検討を進めた. (1)脆弱性概念を用いた政策評価手法の検討:脆弱性概念とその指標値をいかに政策評価に結びつけるかの検討を行った.災害時に病院や市役所などの行政機関との間の移動可能経路本数が減少することをリスクとして位置づけ,道路途絶による損失の評価を試みた.間接効用関数を定義し,適切なパラメータを設定することで,従来の費用便益分析と重複計算のない形での脆弱性便益評価が可能となった. (2)ロバスト道路ネットワークデザインのための数理計画モデルの構築:平成23年度の検討結果を踏まえ改良された接続脆弱性概念に基づく地域耐災性評価指標を活用し,さらに経済的側面も考慮しながら,最適な対策箇所を決定する方法論の検討をおこなった.具体的には,所与の資金制約をもとに,経済効率性と接続脆弱性を両立させる道路整備を決定する最適化モデルの構築の検討を行った.本年度は,脆弱性概念を,従来の費用便益分析フレームワークと齟齬なく評価可能な方法論の検討に重点を置いた.今後,数理最適化問題としての展開を検討する. (3)豪雨による道路途絶に関する試行計算:岐阜県道路ネットワークを対象とし,豪雨により通行規制が生じ,結果として道路途絶が生じることを対象に,移動可能経路本数の増加が及ぼす影響に関するケーススタディを実施し,提案した手法の有用性を確認した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数理最適化問題の定式化について,課題が残ったが大きな遅延ではない.
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題はほぼ研究計画通り推移しており,今後も計画に従いすすめていく.平成25年度には,数理最適化問題の定式化と,岐阜ネットワークを対象とした計算を実施し,結果の検証を行う.
|