研究課題/領域番号 |
23360222
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷口 栄一 京都大学, 工学研究科, 教授 (70252468)
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研究分担者 |
山田 忠史 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80268317)
中村 有克 京都大学, 工学研究科, 助教 (80589185)
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キーワード | 安全・安心 / 物流 / シティロジスティクス / 柔軟性 / 配車配送計画 |
研究概要 |
道路ネットワーク上の配車配送計画において、リンク所要時間が変動する場合、平均と分散を用いて1つの経路を選びだすことが多いが、実際の物流企業のトラックの経路選択行動を見ると、同じOD間であっても一定期間の間に複数の経路を選択している場合が多い。そのため、本研究においては、試行錯誤ダイナミックスによる学習を過程するモデルを用いて、トラックのドライバー(あるいは物流企業の配車係)の学習過程をシミュレートし、複数の経路をある確率で選択するようなモデルを構築した。このモデルを実際のトラックの経路選択データに適用し、所要時間変動の分散が小さくなった場合の物流企業の経路選択行動の変化について分析を行った。 また、時間指定付き配車配送計画(Vehicle Routing and Scheduling Problem with Time Windows)モデルにおいてリアルタイムの所要時間変動を考慮した動的配車配送計画モデルを構築した。構築されたモデルはNP-困難な組み合わせ最適化問題となるので、列生成法(Column generation)及び遺伝的アルゴリズムを用いて近似解を求めている。この動的配車配送計画モデルにおいては、交通事故や災害などの突発事象が発生した場合を想定し、交通情報がリアルタイムで提供される場合において、顧客への訪問順序を動的に変更できるようなモデルとなっている。さらに、物流拠点の配置とトラックによる配送を同時に考慮して最適化する配置配送計画(Location routing problem)について、タブーサーチを用いて最適化するモデルを構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、突発的な所要時間変動がある場合の物流企業の経路選択行動を記述できるモデルを構築し、また交通事故や災害などの突発事象が発生した場合を想定し、交通情報がリアルタイムで提供される場合において、顧客への訪問順序を動的に変更できるような動的配車配送計画モデルを構築した。このようなモデルは、本研究の目的としている効率的かつ柔軟性が高く災害時においても安全な都市物流システムの構築に大きく寄与するものであるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、予定通り災害時の救援物資輸送について、多目的最適化配車配送計画モデルおよび物流拠点の最適配置配送計画モデルの構築に関する研究を遂行する。
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