研究課題/領域番号 |
23360226
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
小根山 裕之 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (90313105)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 車両挙動 / 走行軌跡 / 加減速挙動 / CO2排出量 / 交通流シミュレーション |
研究概要 |
本研究は,一般街路区間を走行する全車両の走行軌跡及びCO2排出量をビル高所からの複数ビデオ観測などにより観測・データ化し,時空間上の加減速挙動やCO2 排出量の特性を明らかにするとともに,交通流シミュレーションを用いたCO2 排出量推計手法の評価及びモデル間比較分析により,その妥当性を明らかにすることを目的とする. 平成24年度は,平成23年度に実施した外堀通り(虎ノ門交差点~新橋交差点,約1.1km)における現地観測調査データについて,平成23年度に引き続いてビデオ画像からの車両軌跡の読み取りを行った.虎ノ門側のビルに設置したカメラについて4台,新橋側のビルに設置したカメラについて3台,合計7台のカメラのビデオ画像について,平成23,24年度合わせて合計6サイクル,15分程度の車両軌跡をデータ化した.これらのデータのうち,GPS及びCANデータロガーを実装した実験車の車両軌跡をリファレンスとして,実画像への射影変換により得られた車両軌跡との比較分析を行った.その結果,片側(虎ノ門側又は新橋側のいずれか)のビデオ画像のみを用いた場合よりも,両側のビデオ画像の車両軌跡データを用いた場合の方が,実験車の車両軌跡と一致する確からしい車両軌跡を生成できること,ビデオ画像では1/30秒毎にトラッキングしているが,1/10秒程度まで間引いても一定の精度を確保できること,射影変換を行う際に用いる道路面に設定した折れ面の設定方法により精度に大きな違いが出ることなど,精度を確保するための方法論について確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は読み取った車両軌跡からある一定時空間内のまとまった車両軌跡を生成し,加減速特性など車両軌跡の分析までを実施することを到達目標としていたが,分析途中で精度の確保のための試行錯誤や折れ面の作成し直し等の検討作業が必要となり,車両軌跡の特性分析までは至らなかったため.なお,精度確保のための方法論については概ね目処が付いてきたため,平成25年度には最終目標に到達できると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
精度確保のための検討に手間取り工程に若干の遅れを生じているが,平成25年度前半には軌跡のデータ化と車両軌跡の特性分析を実施し,平行して平成25年度に実施する予定の交通流シミュレーションの分析を実施し,平成25年度中に当初予定した研究成果を得たいと考えている.
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