研究課題/領域番号 |
23360227
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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研究分担者 |
熊谷 靖彦 高知工科大学, 地域連携機構, 教授 (10368855)
中野 公彦 東京大学, 大学院・情報環, 准教授 (90325241)
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キーワード | 交通事故 / MRI / 白質病変 |
研究概要 |
高知県警察本部免許センターの協力のもと、白質病変ドライバー8名(50代2名、60代4名、70代2名)と正常ドライバー8名(20代4名、50代1名、60代2名、70代1名)に、免許センター内の実車走行コースを利用して、運転中に暗算計算させるマルチタスクテスト(音声で一桁の数字を一定時間毎に連続して聞き、聞いた直後の数字と先に聞いた数字とを加算して口頭で解答するストレステスト)を行い、危険運転度を評価した。性別では、60歳女性の白質病変ドライバー以外は、全て男性であった。サンプル数が少ないので、白質病変のグレード分類はせず、白質病変の有無のみで被験者を分類した。再現性と厳密性を考慮して、高知県警察本部交通部運転免許センターの同じ運転技能試験官によって、下記の項目に従い危険運転評価点数をつけた。1.発進(逆行中・逆行小・急発進)、2.速度維持-速度超過、3.合図(発進・車線変更-右左折)、4.制動(速過ぎ大・速過ぎ小・クリープ)、5.操向(ふらつき大・ふらつき小・急ハンドル・切り返し)、6.車体感覚(脱輪中・路端停車・停止位置・巻き込み)、7.進路変更(変更禁止・狭路変更・交差点変更)、8.直進・右左折、徐行・進入禁止、安全速度・優先判断、交差点内(左大回・右斜・左斜)9.踏切通過、合図車妨害、警音器、踏切内変速。危険運転評価点数では、白質病変ドライバーは正常ドライバー8名に比較して、マルチタスクテストの有無で有意に低下していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実車中に暗算計算を強要するマルチタスク下での、安全運転能力などの運転挙動データの収集が可能である反面、白質病変マッピングが確実には実施されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
健常高齢者に対してMRIで認められる主要な脳組織変化は白質病変と脳萎縮が2大所見であり、高齢ドライバーを白質病変と脳萎縮のグレードでマトリックス分類する。新たに分類された高齢ドライバーから、マルチタスク下での安全運転能力などの運転挙動データを収集し、高齢ドライバーの運転適性評価用データベースを構築する。
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