研究課題/領域番号 |
23360228
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
宮本 和明 東京都市大学, 環境情報学部, 教授 (90150284)
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研究分担者 |
鈴木 温 名城大学, 理工学部, 准教授 (00356073)
井ノ口 弘昭 関西大学, 工学部, 助教 (10340655)
北詰 恵一 関西大学, 工学部, 准教授 (50282033)
大谷 紀子 東京都市大学, 環境情報学部, 准教授 (70328566)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 都市モデル / 土地利用モデル / マイクロシミュレーション / 世帯属性 / 縮退都市 |
研究概要 |
H23年度に富山市で実施したアンケート調査データをもとに,住宅選択モデルのパラメータを選択型コンジョイントにより推定し,住宅市場モデルを構築した.このモデルでは多様な世帯が多様な住宅に対して住宅選択を行い,互いの提供価格,付け値のやり取りによって市場価格が決定される.開発したシミュレーションのプロトタイプは,様々な初期条件の下で計算を行ったが,その挙動は安定しており,現実的なシミュレーション結果が得られている. また,住宅選択行動が,加齢や世帯構成の変化などにともなう複数の住宅選択行動連鎖によって説明されるとの考えから,アンケート調査データをもとに調べた結果,類似した条件の世帯においても,住宅選択行動を実施した時点での時代の違いや社会環境の違いによって,次の住宅選択行動意向が変化することを具体的に確認した.これは,ひとつのエージェントに対してであっても,時間が過ぎていくに従ってパラメータ変化も考慮する必要性を示唆するものである. 一方,コンピュータ計算システムの効率化については,多く主体が過去の履歴を持ちながら時系列的に進むタイプに対して並列関係でCPUが分担することから,異なったデータの流れが存在するパート,エージェント属性の変更の多寡等に対応が可能な異なった命令を個々に送ることができるCPU分担マネージャの必要性を確認した. さらに,都市マイクロシミュレーションモデルを用いて,多様なステークホルダーへの効果影響に関する判断指標をもとに,最適な政策手段の組合せおよび諸元を決定する方法を作成した.政策手段の組み合わせが膨大となることから全探索による最適解の導出は困難であるので,実時間での処理が可能な解探索手法を提案し,評価実験により提案手法の妥当性を検証することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度のアンケート調査で実証用のデータを入手済みであるので、特段の問題は想起していない。
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今後の研究の推進方策 |
富山市を対象とした世帯マイクロデータも整備がほぼ終わっていることから、全体のパイロットモデルをシステムに実装してそのテストランを通して、研究期間内に出来るだけパフォーマンスを高めていく予定である。
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