研究課題/領域番号 |
23360229
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐々木 葉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00220351)
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研究分担者 |
岡田 智秀 日本大学, 理工学部, 准教授 (10307796)
山田 圭二郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303850)
平野 勝也 東北大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00271883)
佐々木 邦明 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30242837)
羽藤 英二 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60304648)
星野 裕司 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70315290)
山口 敬太 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80565531)
出村 嘉史 岐阜大学, 工学部, 准教授 (90378810)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 景観計画 / 地域認識 / 景観モデル / ツーリズム |
研究概要 |
①地域景観認識に関する成果:地域景観を論じる複数のレイヤーと、主体に依存する認識特性の多様性を実験に基づき明らかにした。具体的には鉄道乗車中に眺められる景観把握の特性を写真投影法によって分析し、主体の属性および眺めに対する問いかけの違いによって、多層的な把握が行われていることを明らかにした。また、地域イメージの調査方法として用いられるイメージマップの描写過程をプロトコル分析した結果、地域を想起するプロセスの特質として、プロセスのパタン、想起過程において転換となる要素の存在を把握することができた。その他、まちの記憶を語るテキストの分析、生活景を中心とした日常的な場所への評価構造分析などから、シーンとしての景観ではなく、地域認識としての景観把握を分析するための方法論と、ごく日常的な景観認識の構造特性を明らかにすることができた。 ②広域景観の表現媒体に関する成果:広域な対象地域を描いた絵図は、地域景観認識において重要な媒体として本研究では注目しており、そうした絵図の眺め方の分析を、アイマークレコーダーを用いた絵図の注視特性データおよび同時に取得する発話データによって行った。その結果、注視特性と認識との関係性および注視される要素の位置づけについて把握した。こうした眺め方の特性を考慮して、明知鉄道沿線の地域絵図を実際に作成した。 ③ツーリズムデザインに関する成果:ローカル鉄道沿線の景観認識分析結果および写真コンテスト応募作品から、ローカル鉄道を活用したツーリズムデザインへの示唆となる情報を得た。また、八ヶ岳付近の観光行動に関するブログマイニングから観光行動の記述における景観の位置づけを把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者と分担者が合同で進めている岐阜県恵那市を主たるフィールドとした活動は、地域との協力体制が一層充実したため、研究実践が順調に進んでいる。なお明知鉄道を対象としたツーリズムデザイン実験については、鉄道事業者担当者の事情により延期をしたが、2013年度に実施することは了承されている。また恵那市以外のフィールドでは研究分担者が各自推進している。これらの情報を学会開催時等に打ちあせるとともに、特に景観把握モデルに関しては公開の研究会を実施し、多様な議論の場をもつことができている。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度は本研究課題の最終年度となるため、これまでに蓄積してきた成果に基づいて、地域景観計画を策定するために重要となる「地域景観という概念の定義」とそれを地域の持続的活性化に資する地域計画に展開するための「景観計画の策定プロセス」とについて取りまとめを行う。また、主体たるフィールドとしてきた岐阜県恵那市における多様な景観まちづくりの活動を広く伝え、情報発信するために、書籍の準備とシンポジウムの開催を進める。
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