研究課題/領域番号 |
23360230
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
海田 輝之 岩手大学, 工学部, 教授 (30117072)
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研究分担者 |
石川 奈緒 岩手大学, 工学部, 助教 (10574121)
伊藤 歩 岩手大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90312511)
中村 寛治 東北学院大学, 工学部, 教授 (90382655)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 亜ヒ酸酸化細菌 / 地下水 / ヒ素除去 |
研究概要 |
仙台市の秋保温泉浄化センターで採取した活性汚泥を亜ヒ酸と栄養塩類のみを含む培地で継代培養し、亜ヒ酸酸化能を有する細菌を集積培養した。スポンジ担体(直径3cm、長さ3cm)を25個吊り下げた反応槽を2つ作製した。集積培養した細菌を担体に固定化し、25℃の恒温室内で亜ヒ酸0.5mg/L、第1鉄5及び25mg/L、微量無機塩類を含む人工地下水を滞留時間を2時間となるように流量を設定して連続的に上部から滴下し、52日間運転した。測定は、流入及び流出水中のヒ素と鉄濃度を形態別に行った。さらに、運転最終日には流下方向の鉄とヒ素濃度を形態別に測定した。 その結果、鉄を添加しない場合は、亜ヒ酸はほぼヒ酸に酸化されて流出し、ヒ素としての除去は行われなかった。しかし、第1鉄5mg/Lを含む人工地下水を添加した条件では、運転開始から40日以降では平均85%、25mg/L添加では95%亜ヒ酸を除去できた。さらに、52日目では亜ヒ酸は両反応槽とも上部の2個目の担体でほぼヒ酸に酸化されており、ヒ酸濃度は流下方向に徐々に低下していた。また、流入第1鉄濃度が5mg/Lでは最下部の担体まで第1鉄は0.9-0.5mg/Lに緩やかに減少したのに対して、25mg/Lでは2つ目のスポンジから17mg/L前後で一定となった。この第1鉄の除去量の違いが亜ヒ酸の除去率に影響を与えたと考えられた。さらに、流入したヒ素と鉄は15番目までの担体でほぼ除去されていた。 以上のように、反応槽に流入した亜ヒ酸は担体に固定化された亜ヒ酸酸化菌によってヒ酸に酸化され、第1鉄は空気酸化されて第2鉄になり、ヒ酸が生成された水酸化第2鉄と共沈して担体に保持されて除去できたと考えられ、地下水からのヒ酸の除去装置の開発がなされた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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