研究課題/領域番号 |
23360234
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 宏明 京都大学, 工学研究科, 教授 (70344017)
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研究分担者 |
山下 尚之 京都大学, 工学研究科, 講師 (90391614)
中田 典秀 京都大学, 工学研究科, 助教 (00391615)
井原 賢 京都大学, 工学研究科, CREST研究員 (70450202)
VIMAL Kumar 京都大学, 工学研究科, GCOE研究員
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キーワード | ナノ粒子 / フラーレン / 医薬品類 / エストロゲン / 生理活性物質 / 下水処理 / 活性汚泥 / 汚泥消化 |
研究概要 |
日常生活から排出される化学物質の中で、インフルエンザなど集団感染対策や老齢化に伴い使用量が増加している医薬品などの生理活性物質やQOLの向上や地球環境対応への必要性から使用量が急増しているナノ粒子のような新興汚染物質は、使用されたあと下水道を経て環境に排出されている。本研究の目的は、ホルモンや医薬品類、ナノ粒子を含む新興汚染物質に焦点を当て、活性汚泥法による阻止・除去機構を把握するための現地調査、室内や屋外実験の実施を行う。今後開発され、使用される新興汚染物質による環境汚染の未然防止に資するため、新興汚染物質の下水処理過程での動態予測モデルを作成し、環境影響評価と対策を検討する。 本研究での目的と範囲は以下のとおりである。 1)ナノ粒子のうち、フラーレンについての分析手法を確立する。この方法によって、現場使用レベルで下水に含まれるナノ粒子がどのように下水中に存在するのか、活性汚泥法でどの程度除去されるのか、また除去されたナノ粒子は活性汚泥表面に存在するのみか内部にまで侵入しているのか?もし、活性汚泥処理後に残存ずるとすると、どのような方法で除去すればいいのか? 2)水生生態系に影響を与える恐れが高いと判断されているエストロゲンや医薬品類が、活性汚泥での下水処理で、どのように制御すれば除去性能が上げられるのか?その除去機構はどのようなものか?今後新たに開発されていく生理活性物質は、活性汚泥法でどのように除去されるのか、されないのか? 3)下水処理で除去され、汚泥に移行しているエストロゲンや医薬品類は、今後下水汚泥のバイオマス利用が進められる場合に、消化過程などで分解されるのか、残留しているのか? 4)下水に流入する生活由来の生理活性物質は、使用実態の変化で今後どの程度増大し、その結果、季節変化も考慮した場合、下水処理水にはどの程度残存すると予想されるのか?もし環境への影響が懸念される場合、影響削減は可能か?今年度はフラーレンのナノ粒子の分析手法を確立し、純水や下水に存在する形態サイズについての把握を行った。また回分式活性汚泥で除去性などを把握した。また活性汚泥処理での医薬品類の除去特性を物質収支から把握した。また消化汚泥での除去や分配の特性を実態調査から把握した。生理活性物質の時間変動を下水処理場で把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記1)~4)が予定通り進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
計画に従って、室内実験、実態調査、分析等を行い、適宜、査読論文、国際・国内発表を行うとともに、一般国民へも講演会などを通じて得られた成果を分かりやすく伝えていく。
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