研究概要 |
鋼と木質材料の複合構造の開発にあたって,柱梁接合部を半剛接合とした構造システム(鋼構造)に関する検討を行った。得られた結果は下記のとおりである。 1.柱梁接合部を半剛接合とするためにエンドブレート方式とし,座屈拘束部材を方杖上に配置した構造システムを提案した。 2.提案した構造システムを使用した10階建モデルの地震応答解析,増分解析を行い,その有効性を確認した。 鋼材と木質材料の複合構造の梁部材を想定した曲げ実験を行い,接合法や幅厚比の違いにより力学的特性など相違について確認した。得られた結果は下記のとおりである。 3.十分に一体化できている場合の複合部材の性能は,鋼材と木質材料の最大耐力及び曲げ剛性を足し合わせることで評価できる。 4.接着剤とボルトを使用すると部材性能が上がるが,接着剤とボルトを使用しなくても十分な性能を発揮できる。 5.複合部材とすることで,幅厚比に関わらず内部の鋼材の横座屈を補剛することができる。
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今後の研究の推進方策 |
鋼と木質材料の複合構造の接合法(接着・ファスナー)の選定にあたっては,構造性能に加えて,加工性,施工性,経済性などの指標を加えて複合構造システムの構法を選定したいと考えている。
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