研究課題/領域番号 |
23360256
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 教授 (90198911)
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研究分担者 |
田中 哮義 京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
秋月 有紀 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (00378928)
原 直也 関西大学, 工学部, 准教授 (00330176)
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キーワード | 火災性状 / ゾーンモデル / 流れ性状 / 煙による散乱光 / 視野輝度分布 / 区画内床面照度 / 避難性状 |
研究概要 |
本研究は3つのサブテーマから構成される。個々のテーマは最終的には煙流動性状予測と避難性状予測モデルに組み込まれ、最終的には統合モデルとし、ケーススタディを経て実建物プロジェクトへの利用を可能とする計画である。各サブテーマの平成23年度における成果は下記の通りである。 サブテーマ1(多様な火災性状に対応した煙流動予測モデルの提案)については、既存の二層ゾーン、多層ゾーンモデルの問題点を整理した上で、注目すべき物理現象について模型実験等を行いモデル化する。平成24年度は、排煙口形状を考慮した排気効率の導入、排煙ファンの耐熱性と作動継続性の判定、ウォールプルーム(上昇気流)による煙層の乱れ等について情報収集を行った。また、水平開口の流れについては、模型実験を行い、単純一方向流が成立しなくなる限界条件の定式化を行った。また、避難安全設計用の火源モデルについて、ウレタンブロックを用いた実験を行い、出火位置による火災拡大性状の違いの定量化に着手した。 サブテーマ2(大空間における出口選択と歩行安全性の評価モデル)については、煙層存在時の避難者の視野における輝度分布からの出口発見の評価方法、歩行空間における床面照度の予測モデルの作成を行う。平成24年度は、白煙による煙層が存在する条件下で模型実験を行い、天井の面光源により形成される床面照度分布・光源輝度および煙層輝度を測定し、煙層による光の散乱の影響を調べた。今後これを定式化して視野輝度分布の予測を行うための基礎データを得た。またゾーンモデルで計算される区画内各種煙性状予測値を用いて避難経路の床面照度を導く簡易予測モデルについて着手し、白および黒の水浴液を使った模型実験の結果を元にそのモデルの有効性について検証した。 サブテーマ3(避難行動予測と煙流動予測の統合モデルへの組み込み)については、平成24年度は、エレベータ避難予測コードの調査、ポテンシャル法による避難モデルの調査などの基礎的作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に推移している。引き続き研究に注力する。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って研究を推進する。
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