建築や都市の空間デザインにおいて、そこでの人間行動を円滑に支障なく行わせるためには、そこでの行動を支え導くための情報が環境によってどのように提供されるのかを理解する必要がある。一般に、必要とされる環境情報はそこで行われる行動の内容や人が置かれた状況によって一様ではない。本研究は、情報取得と行動との関係が端的に表れる街路の経路選択行動を取り上げ、緊急時と平常時、さらに平常時は目的地に急いで行こうとしている場合と、目的もなくそぞろ歩きをしている場合など、状況によって参照される環境情報の違いを明らかにした。
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