本研究は、農山漁村地域にみられる新たな居住スタイルの出現に着目した「居住と地域の持続性」に関する研究である。 限界集落の増大、集落消滅の危機が叫ばれるなか、能登半島地震、中越地震、阪神淡路大震災の被災集落、三重県志摩市の沿岸漁村集落を対象とし、1)二地域居住や居住継続による家族・地域コミュニティの持続性、2)転出者の母村との人間関係・コミュニティや集落環境との関係の維持による山村の持続性、3)コミュニティの段階的構成と震災復興における被災前の従前コミュニティの継承、4)海との関係からみた居住地変容のメカニズムを明らかにし、今後の家族・地域コミュニティや農村環境の持続性の鍵があることを検証した。
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