研究課題
今年度はフランス、ベルギー、ドイツの主に労働者住宅の現地視察を行い、イギリス・南ウェールズのポンティウォーンでエブヴェール社が開発した田園郊外計画について調査した。現地調査を行った住宅地は、イタリア(クレスピ・ダッダ)、フランス(ボワ・デュ・ヴェルヌ、ル・クルーゾ、アルケスナン、ミュールーズ、ムニエ、シテ・ナポレオン、ノール=パ・ドゥ・カレー地方、ファミリステール、ムルト=エ=モゼル)、ベルギー(ル・グラン・オルニュ、ボア=デュ=ルク鉱区)、ドイツ(マルガレーテン・ヘーエ、ジートルンク・アルテンホフ、コロニー・ツォルフェアアイン、アルテ・コロニー・エヴィング、ダールハウザー・ハイデ、シュタールハウゼン、グリュックアウフジートルンク、アム・グラーゲンブッシュ、シュテマースベルク、マルガレーテンジートルンク、ベアムテンジートルンク・ブルアースハイム、ヘレラウ田園都市、AEGジートルンク・ヘンニッヒスドルフ、シュターケン田園都市、ジーメンスシュタット)である。イギリスでは1890年、日本では1930年に衛生的見地から法律で禁止された棟割の労働者住宅が、フランス、ドイツでは禁止されず、現在では 産業衰退地域への新産業誘致と産業遺産の価値付けを複合させ、公営住宅として再生し移入人口を受け入れる取り組みがみられた。また、特に今年度の調査を通して、近代初頭の欧米諸国(特にフランス・ドイツ)の労働者住宅地では「菜園」を中心に外部環境のデザインに多様性があることを確認した。一方で、田園都市・田園郊外運動の影響を受けた事例では、住宅地の外部環境デザインが画一化される傾向も確認した。フランス・ベルギー・ドイツでは大半の労働者住宅が平地あるは緩斜面に建設されているが、一部渓谷に建設された住宅は「Welsh Style」と呼ばれ、地理的類似性が住宅計画にも影響を与えることが確認できた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本建築学会近畿支部研究報告集
巻: 55 ページ: 未定
日本建築学会中国支部研究報告集
巻: 38 ページ: 未定
日本建築学会九州支部研究報告
巻: 54 ページ: 561~564
日本建築学会技術報告集
巻: 47 ページ: 849~854