研究課題/領域番号 |
23360282
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
石黒 孝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (10183162)
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研究分担者 |
田村 浩二 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30271547)
早瀬 仁則 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70293058)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 赤外顕微分光 / 水熱反応 / バイオ・ソフトマター / 水 / MEMS / ATP / FT-IR / ADP |
研究概要 |
本研究の目的は水に関する課題解決を実現すべく、MEMS技術により光路長を制御し、均一反応を実現できるマイクロリアクターを作製し、これに顕微赤外分光装置を組み合わせ、新しい水中化学反応 その場観察装置を構築することである. 課題は次の3つである. 1. 金属水熱反応のその場観察:水熱反応による金属Alの水酸化物形成等の金属と水の反応を水分子、水酸基、金属ラジカルの赤外振動状態の変化をとらえる. 2. 水の水素結合の定量測定:水の高次構造を赤外吸収スペクトルの温度変化を定量評価する. 3. ATP加水分解反応場のその場観察:生命の代謝の基本であるATP加水分解によるADPへの変化に注目し、加水分解反応に対するMg2+添加の影響を赤外吸収によりとらえることである. 23年度は、真空試料室+XYステージ+IR検出器からなる全真空赤外顕微鏡を購入し、既存の真空対応FT-IR装置を光源と組み合わせて全真空・赤外顕微鏡を立ち上げた.また、冷媒フローによる反応セルの温度制御を実現した.セルの高温・高圧までの耐久性を確認し、水の吸収スペクトルを測定し、デコンボリューションを行い、振動成分の温度・圧力依存性を明らかにした. 以上の結果を踏まえて24年度には水及びATP水溶液の透過赤外吸収スペクトルを測定した.装置は二流体混合を可能とするシステムへ改良した.金属膜水熱反応・脱水反応その場観察に関してはAl等に関して検討を行った.さらに、ATP溶液にMgCl2またはCaCl2を混合しATP水溶液のP=O伸縮振動に起因する吸収の濃度変化を系統的に測定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した通りに装置を改良することができ、これを用いた実験も実施できている.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度までの結果を踏まえて実験の再現性を確認し、また第一原理計算に基づくシミュレーションを実施しピークの同定を行う.以上の結果を総括して研究をまとめる.
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