研究課題/領域番号 |
23360283
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木口 賢紀 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (70311660)
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研究分担者 |
佐藤 和久 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70314424)
西松 毅 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70323095)
山田 智明 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80509349)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | リラクサー / PMN / ヘテロナノ組織 / PNR / COR / 電子顕微鏡 / 薄膜 / CSD法 |
研究概要 |
収差補正STEM法により、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3(PMN)薄膜中の化学的秩序領域(COR)の構造と組織形成について研究を進めた。650℃で結晶化した段階で、(110)面と(001)面で囲まれた1-2nm角のCORが形成された。CORの数は少なくディフラクトグラムにはブロードで弱い超格子反射しか現れなかった。一方、700-800℃でのポストアニールによって、個々のCORの大きさはほぼ同じであったがその数は大きく増加し、ディフラクトグラムでは高次まで明瞭な超格子反射が現れた。この様に700-800℃程度でのアニールで、主に核生成によってCORの体積分率が増加することが明らかになった。これは、PMN特有のMg、Nbイオンのチャージとサイズの間のフラストレーションに起因していると考えられる。また、原子分解能でBサイト原子カラムの組成分析を試みた結果、秩序化したCORの領域において1原子カラム毎にMgが検出されたのに対し、全てのBサイトにNbが存在すること、つまりMgの秩序化した(111)面上にもNbが共存し、(Mg2/3Nb1/3):Nb=1:1型のCharge-balanced random-layered modelの妥当性を組成の観点から実証した。また、PMNにPbTiO3(PT)を10-40mol%固溶したPMN-PTエピタキシャル薄膜を作製し、COR核生成に及ぼすBサイトへのTi固溶の効果を検討した結果、Tiの固溶に伴ってCORの核生成は急激に抑制され、HAADF-STEM像では認識が困難であった。しかし、CORに起因した超格子反射強度は完全には消失せず、微小なクラスターのような形態でCORが残留しているものと推察される。以上の結果は、BサイトへのTiの固溶がMg,Nbイオン間の規則配列を乱し、CORの生成を抑制することを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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