研究課題/領域番号 |
23360285
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
岩本 雄二 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40399598)
|
研究分担者 |
橋本 忍 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10242900)
本多 沢雄 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50301221)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 分離膜 / 水素 / 二酸化炭素 / 化学親和性 / 無機・有機ハイブリッド |
研究概要 |
下記①~②のサブテーマ研究を実施して、新規なセラミックス製ガス分離膜の創製研究を継続した。 ① H2、CO2親和性を付与した新規セラミックス分離膜の合成開発 : 本年度はゾルゲル法による分離膜材料の合成研究を進めた。昨年度見出した、ユニークな水素親和特性を有する酸化物多元素系アモルファスセラミックスを対象に、化学組成を系統的に変化させた材料を合成し、水素親和性を評価した。その結果、従来より低温の250℃付近から水素親和性を有する新たな材料系を見出した。一方、CO2分離を目的とした分離膜材料開発研究では、CO2の選択透過機能発現に有効な有機官能器の数や種類について詳細に検討し、室温付近でのCO2分離機能発現に有効な有機・無機ハイブリッド材料の諸因子を整理できた。また、このようなハイブリッド材料の研究を通じて、耐水性に優れたガス分離膜の合成にも成功した ② ガス透過抵抗の低減化を目的とした高気効率中間層/基材の合成開発 : 昨年度に引き続き、異方性の高い板状アルミナを出発原料に利用して、多孔質構造制御を検討した。板状アルミナによる多孔質構造形成に有効なシリカ系前駆体の添加条件の最適を図り、分離膜支持基材としての応用が期待できるガス透過抵抗の低減に有効な組織制御に成功した。 ③ 分離膜・基材のガス透過特性と機械的特性評価 : アモルファスシリカを結合相とする板状アルミナ多孔体を対象に、気効率、平均気孔径とガス透過特性、および熱伝導特性の関係を詳しく調べ、高温ガス分離用多孔質支持基材の合成開発指針を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年に見出したH2やCO2に対する化学親和性有するセラミック系分離膜材料について、それぞれ親和特性の向上に成功した。また、多孔質基材の合成開発においても、従来のガス透過特性や強度特性に加えて、熱的特性の評価まで進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続きH2、やCO2に対する化学親和性を有する新たなセラミック系分離膜材料の合成開発と、このような膜の製膜に適した基材の多孔質構造制御研究を継続する。次年度は、一連のH2やCO2に対して化学親和性を向上出来た材料系について、多孔質基材への製膜条件の最適化と、分離機能発現に向上に有効な材料組成の最適化を図る。
|