研究課題
本研究では中温無加湿で高いプロトン伝導性を示す無機固体酸ナノ複合体粒子を合成し、これに芳香族ポリマーを融合させた新しい中温作動燃料電池用電解質膜を開発し、燃料電池の中温無加湿発電試験を行っている。また、得られた電解質膜や膜・電極複合体のプロトンダイナミックス解析および界面構造観察を行っている。本年度は特に、以下の重要な研究成果が得られた。【無機固体酸ナノ複合体粒子と芳香族ポリマーからなるコンポジット膜電極複合体の開発】:前年度の定電位(0.5V)での連続発電(800h以上)に加えて、より負荷の大きな定電流(0.2A)での連続発電評価を行った。50CHS50WSiA-PBI系コンポジット電解質膜(リン酸ドープ量3mol、シート厚20um,Pt担持量0.5mg cm-2)は150℃、無加湿条件で、0.6Vの出力を300時間以上維持することを実証した。連続運転中、開放端電圧(OCV)1.01V、最大電力密度344mWcm-2の極めて高い発電性能を示すことも確認した。また、加熱冷却試験(30-150℃)、燃料供給停止による膜劣化についても調査を行った。一方、5-スタックセルでは、ガス流量を最適化することで、OCV4.5V以上、最大電力密度1182mWcm-2を示し、定電流(0.2A)150℃、無加湿条件で300h以上のスタック連続発電が可能であることも明らかにした。【プロトンダイナミックスと界面構造解析】:連続発電後のPt担持カーボンの高分解能TEM観察を行った結果、Pt粒子の凝集・粗大化が観察された。性能変化の要因解析には、膜性能に加えて触媒と電極の分析が重要であるとの知見を得た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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