研究課題
カーボンナノチューブ紡績糸の引張機械特性において重要な要素を考察してきた。これまでの研究より、撚りを加えたカーボンナノチューブ紡績糸ではカーボンナノチューブ間の滑りにより紡績糸破断に至ることがわかった。また、その相互滑りは紡績糸の撚り角度や直径、カーボンナノチューブ稠密度などの構造パラメータの影響を大きく受けることがわかった。滑りを抑制し、引張強度、弾性率を高めるためには、より細いカーボンナノチューブを高密度に撚ることが重要である。そこで、カーボンナノチューブ合成において、カーボンナノチューブ径を小さくするため、金属触媒径を制御する方法を検討した。触媒前駆体である塩化鉄の利用方法を工夫することで、カーボンナノチューブをの直径と基板上での本数密度を詳細に制御することが可能になった。それにより、直径13nm~50nmまで変化した。これらのカーボンナノチューブの径または使用量を変化させて紡績糸を作製した。細いカーボンナノチューブによる紡績糸ほど強度、ヤング率ともに大きく向上した。また紡績糸の直径が小さいほど引張特性は高くなった。以上のカーボンナノチューブ構造制御による効果はエポキシ樹脂との複合材料においても同様な傾向が得られた。ただし、カーボンナノチューブ紡績糸とエポキシ樹脂の複合材料において得られた結果は、紡績糸とは発現メカニズムは異なる。多層カーボンナノチューブにおいては外層部が主な荷重伝播領域となり、内層部の寄与は非常に小さい。より細いカーボンナノチューブほど複合材料中における荷重伝播領域の割合が大きくなったといえる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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