| 研究課題/領域番号 |
23360294
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
堀田 篤 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (30407142)
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| 研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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| キーワード | ポリマー / 複合材料 / エレクトロスピニング / ファイバー / 力学物性 / 均一分散 |
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| 研究概要 |
本研究では異種のポリマー材料をマイクロからナノスケールのレベルで分散させ，複合化する新しい手法を提案し，新規高機能複合材料を作製することを大きな目的としている．これまで，本手法を用いることでポリマーをマイクロ・ナノスケールで分散した複合材料の作製を行ってきた．また，作製した複合材料の破断面解析により，母材に対するナノファイバーの分散性を統計的に評価することで本手法の有用性を示してきた．
当該年度においては，マイクロ・ナノファイバー自体を高機能化させ，またそのマイクロ・ナノファイバーを本手法により分散させ，複合化し，その力学物性を評価することを行った．
具体的な研究成果は，第一に，高弾性率を有するカーボンナノチューブ (CNT) をポリビニルアルコール (PVA) のナノファイバーに複合化させることを試みたことである．CNTは凝集しやすい材料であり，PVA水溶液中に均一に分散させることは困難である．今回，CNTとPVA水溶液の中間層としてポリビニルピロリドン (PVP) を導入することで，CNTがよく分散したPVA水溶液の調整をすることができた．CNTが分散したPVA水溶液をエレクトロスピニング法によりファイバー化することで，CNT分散したPVAナノファイバーを作製できた．
第二に，CNTにより高機能化したPVAナノファイバーを，本手法により軟かい汎用性材料の代表であるポリジメチルシロキサン (PDMS) に分散させ，複合化をさせたことである．この際，ファイバー含有率が0.5 wt%のときに，PVA単体では見られなかった弾性率が急激に向上する傾向が観測された．また，さらにファイバー含有率を増加させていくと徐々に弾性率は低下した．この低ファイバー含有率における弾性率の急激な向上は，今後の原因究明を要する事象であろう．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CNTにより高機能化したPVAナノファイバーを作製することに成功した．このファイバーを本手法によりPDMSに分散させ複合化することで，低ファイバー含有率において急激な弾性率の向上が見られた．しかし，ファイバー含有率0.5 wt%以上においては，ファイバー含有率を増加させるにつれ弾性率が徐々に低下していく傾向も見られた．
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでポリスチレン (PS)，ポリジメチルシロキサン (PDMS) の二種類のポリマーを母材として，本手法を用いることでファイバーが分散した複合材料を作製できている．本手法の応用範囲拡大のため，さらにはその普遍性を調べるためにも，他種類のポリマー材料を母材とした，ファイバー分散した新規高機能複合材料を作製する．
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