D03型規則構造を有するFe3Al、Fe3Ga化合物、さらにそれらの擬二元系化合物であるFe3(Al,Ga)では、既存の形状記憶合金とは異なり、転位や双晶の可逆運動による新規の超弾性(擬弾性)が発現することが示唆される。しかしながら、その詳細は未だ不明な点が多い。本研究では、TEM、SEM-EBSP、J-PARC中性子回折といった観察スケールの異なる解析手法をシームレスにつないだ「マルチスケールその場観察」とも呼ぶべき手法を用いて、変形中の結晶構造、結晶方位、転位の運動速度および密度等をその場計測することで、上記D03型Fe基化合物における超弾性の発現機構解明を行った。
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