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2013 年度 実績報告書

結晶粒の形態と方位を制御した高強度高靭性鋼の破壊挙動解明

研究課題

研究課題/領域番号 23360312
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

井上 忠信  独立行政法人物質・材料研究機構, 構造材料ユニット靭性設計グループ, グループリーダー (90354274)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード材料の強靭化 / 破壊制御 / 結晶粒微細化 / き裂伝播抑制 / 低合金鋼 / 組織制御 / フェールセーフ機能
研究概要

最終年度に当たる今年度は,昨年度創成した2種類のフェライト粒厚さに制御した繊維状結晶粒組織を有する800MPa級の0.15%炭素鋼の破壊特性向上とその挙動解明を行った.また,焼きなまし処理によって結晶粒サイズを制御した鋼も対象とした.創成した素材から試験片を抽出し,常温での引張り試験とシャルピー衝撃試験を行い,破面・組織観察を行った.そして,強度,延性,靭性における微細組織の影響について検討した.最後に,既存低合金鋼やこれまで創成された微細粒鋼のデータとともに,本結果を降伏強度YS-吸収エネルギvEの関係図上にプロットすることで,材料強靭化の方向性を探った.
結晶粒微細化による材料の強靱化を考える場合には,単に結晶粒を微細化するだけでなく,主き裂の進展方向を設計思想に含めて,粒径の形状と方位を制御することが必要となる.素材長手方向に<110>方位を有する超微細繊維状結晶粒組織を有した0.15%炭素鋼は,微視き裂の発生から全体破壊までの変形の裕度に優れ,卓越した絞りを持つ.靱性においては,微細ディンプルで形成される主き裂の進展中に多数の微細き裂分岐によって,主き裂先端の応力を緩和し力を分散させた応力遮蔽効果によって,破壊駆動力が低下する.結果的に,強くて壊れにくい強靱化特性を有することを明らかにした.また,微視き裂の発生と伝播機構を明らかにするために,ノッチを付与した曲げ試験を77Kで施すことで,き裂の発生場所を特定した.その結果,結晶粒の短軸長さが1ミクロン以下では結晶粒界で,それ以上では(100)へき界面で優先的に微視き裂が発生し,その後粒界およびへき界面に沿って伝播することを明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 超微細粒組織を活用した低炭素鋼の強靭化2013

    • 著者名/発表者名
      井上忠信, 木村勇次
    • 雑誌名

      日本機械学会A編

      巻: 79 ページ: 1226-1238

    • DOI

      10.1299/kikaia.79.1226

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Delaminating Crack Paths in Ultrafine, Elongated Ferritic Steel2013

    • 著者名/発表者名
      C. Wang, H. Qiu, T.inoue
    • 雑誌名

      ISIJ International

      巻: 53 ページ: 2272-2274

    • DOI

      DOI:10.2355/isijinternational.53.2272

    • 査読あり
  • [学会発表] 加工ひずみ制御による微細粒鋼の創出2014

    • 著者名/発表者名
      井上忠信
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会春季講演大会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)
    • 年月日
      20140321-20140321
    • 招待講演
  • [学会発表] 塑性加工における超微細粒鋼の創成2013

    • 著者名/発表者名
      井上忠信
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会高プロ・凝固組織形成フォーラム&創形創質・板工学フォーラム合同講演会
    • 発表場所
      東京電機大学(東京都)
    • 年月日
      20131204-20131204
    • 招待講演
  • [学会発表] 棒圧延による微細粒金属材料の創成と今後の展開2013

    • 著者名/発表者名
      井上忠信
    • 学会等名
      日本塑性加工学会第75回伸線技術分科会
    • 発表場所
      関西大学(大阪府)
    • 年月日
      20131129-20131129
    • 招待講演
  • [学会発表] フェールセーフ設計された材料の強靭化(第2報 1800MPaクラス級低合金鋼の強度―衝撃特性バランス)2013

    • 著者名/発表者名
      井上忠信,木村勇次
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      岐阜大学(岐阜県)
    • 年月日
      20131014-20131014
  • [学会発表] 超微細低炭素鋼の強靭化2013

    • 著者名/発表者名
      井上忠信
    • 学会等名
      日本金属学会2013年秋期(第153回)講演大会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県)
    • 年月日
      20130919-20130919
    • 招待講演
  • [備考] inoino HP

    • URL

      http://www.nims.go.jp/inoino/

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公開日: 2015-05-28  

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