研究課題
シリコン-ゲルマニウム(Si/Ge)合金半導体バルク単結晶に代表される、成分間の密度差が大きい半導体混合融液から、均質で高品質な合金を作製するための方法法を確立するために、磁場、電場、回転といった外力が融液内の混合状態はもとより、作製された結晶の均質性や、結晶育成界面の安定性にどのような影響を及ぼすかを理論的、実験的に検討した。本年度の主な成果は以下のようである。1.バルク結晶成長数値解析の高速化既に申請者らが有している自作の数値解析コードを実際の実験と操作条件等を一致させるために既存の解析コードを並列化し高速化を行った。2.バルク結晶成長数値解析上記で高速化したプログラムを用い、電場、磁場、回転を組み合わせた解析を開始した。特に界面形状が平坦となり、また異常成長の原因である低融点部分の発生が無い条件を探索した。また無次元数の組み合わせと対流モードとの関連を示すマップを提案した。今年度は特に計算領域を融液と結晶部に限定したが、今後結晶領域までを考慮したグローバル計算に拡張する。3.バルク結晶作製実験実際の結晶成長時の固液界面形状をX線透過実験で直接観察した。同時に,育成した結晶を切断、研磨、エッチングを施し、光学顕微鏡で観察した。これらの結果を数値計算結果と比較し数値計算結果の健全性について確認した。現在上記1の結果と組み合わせ、より実用的な大きさの結晶成長を模擬しうる計算を遂行中である。また海外共同研究者であるカナダ、Victoria大学、Dost教授が8テスラの磁場下で作製した結晶に関しても数値解析結果と比較している。
2: おおむね順調に進展している
研究代表者と分担者、海外共同研究者との連絡が密にできており、実際に顔を合わせての打ち合わせも頻繁に行える状況にあるため、相互の成果の突合せも順調で、概ね当初の予定通りに目的達成に向かっている。
現在、研究は当初の予定通り順調に進行しており、今後の計画の変更は不要である。むしろ当初予定通りに研究を行うことが、今後の研究推進に重要である。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (13件) 図書 (1件)
J.Heat Transfer
巻: 134 ページ: 012301-1-012301-7
10.1115/1.4004803
J.Jpn.Soc.Microgravity Appl.
巻: 28 ページ: S46-S50
J.Crystal Growth
巻: 324 ページ: 157-162
10.1016/j.jcrysgro.2011.04.019