炭素質多孔体にマイクロ波を照射した場合,大気圧非平衡プラズマが容易に生じる.このような現象をタール成分の分解など環境エネルギープロセスへの応用を目的に基礎的試験を実施した.その結果,1)ベンゼンを模擬タール成分に用いる分解試験から,マイクロ波出力400Wで分解率が75%以上,2)フェロセンを触媒として導入すると,副生炭素はチューブ状であり,その径は1.1nm程度であることがラマン分析から確認,3)プラズマ温度は分光学的計測から7600Kから8000K程度,4)プラズマの高速度ビデオ観察から,マイクロ波出力の増大に伴いプラズマがダイナミックになり,反応活性が増大するなどの知見が得られた.
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