研究課題/領域番号 |
23360363
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 剛 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20345333)
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キーワード | 微細藻類 / 中性脂質 / 突然変異株スクリーニング / 単一細胞モニタリング / 脂肪酸組成分析 |
研究概要 |
平成23年度は、微細藻類の集積、培養及びモニタリングが可能な細胞解析用プレート(High-content単一細胞プレート)の開発、及び微細藻類が含有する中性脂質量や中性脂質組成を反映する脂質イメージング指標の探索を行った。微細孔が高密度にアレイ化された基板と溶液吸引機構から成るHigh-content単一細胞プレートを作製した。基板上に珪藻培養液を導入し、溶液を吸引することで各孔に一細胞ずつ捕捉した。これにより、培養液中の珪藻を効率的に基板上に集積化することが可能であった。さらに、顕微鏡ステージ上の温度制御チャンバー内に単一細胞プレートを配置し、インキュベーションを行った。その結果、顕微鏡観察下で、捕捉された各細胞の分裂が確認され、プレート上で48時間以上の培養が可能であることが示された。一方で、中性脂質を標識する蛍光色素を検討し、蛍光顕微鏡観察を行った。その結果、BODIPYによる中性脂質の特異的な染色により細胞内に局在する油滴を可視化できた。また、培養フェーズごとに細胞をサンプリングし蛍光観察したところ、細胞内中性脂質含有量の変化が確認された。この際、各培養フェーズにおいてGC-MSによる中性脂質の脂肪酸組成分析を同時に行った結果、組成の変化が確認された。以上により得られたイメージング指標を用いて、細胞プレート上に集積化した微細藻類の培養及び同一細胞のモニタリングを行った。その結果、時間経過とともにサイズが変化する油滴が可視化された。さらに、共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡を用いて解析することで、細胞内に局在する油滴体積の計測が可能であった。また、突然変異株スクリーニングに先駆けて、UV照射及び化学変異剤処理(NTG/EMS)により突然変異株を作製した。これより、オイル高生産株のスクリーニングに向けた、微細藻類の集積、培養及び脂質含有量のモニタリングを行う基盤技術を確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の目的であった、微細藻類の集積、培養及び脂質含有量のモニタリングを行う基盤技術の確立を達成した。また、突然変異株の作製にも取り掛かっている。実際に作製した変異株から、高/低中性脂質含有株をセレクション・回収し、基礎培養による成長曲線、中性脂質含有量、中性脂質組成等を評価することにより、本技術のスクリーニング実証実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度中に、微細孔アレイと顕微鏡を用いた中性脂質含有株スクリーニング技術を確立したが、そのスループット性は顕微鏡観察による制限があるのが現状である。そこで、広範囲イメージング技術に基づく独自の検出手法を応用した高速イメージサイトメーターを開発し、さらなるハイスループット化を推進する予定である。その際に必要となる細胞分類アルゴリズム及び解析ソフトウェアの開発は共同研究先企業の協力のもと推進する。
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