研究課題/領域番号 |
23360377
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
河内 俊憲 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (40415922)
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研究分担者 |
升谷 五郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20271869)
滝田 謙一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80282101)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 推進工学 / 航空宇宙工学 / 超音速燃焼 / レーザ計測 |
研究概要 |
PLIFのトレーサを計画当初のNO2からアセトンに変更し,PIV・PLIF同時計測の光学計測システムの構築を行った.具体的には,アセトンを励起するには266nmの紫外光が必要である一方,PIVに使われる光の波長はカメラの感度等の問題から532nmのグリーンレーザが一般的である.そこで両者を昨年度購入したダブルパルスレーザにより同時に放射し,それらを同一光路で反射,レーザシートにする計測系を合成石英を用いたプリズムやシリンドリカルレンズ群により構築した.そしてPLIF用のアセトントレーサとPIV用のオイルミストを同時に噴流にシードする装置を開発し,PIV・PLIFを同時に行える実験環境を確立した. これら計測系の確立に加え,本年度は東日本大震災から復旧させた風洞を用いて,超音速流中における噴流のPIV・LIFの同時計測を行った.具体的には流れ方向断面でのデータの取得とクロスフロー断面でのデータの取得に成功した.加えて風洞背圧制御フロープラグにより,擬似衝撃波が超音速流中に形成された流れ場での噴流のPIV・PLIF同時計測にも成功し,乱流拡散流束の算出を行った.これら実験データを昨年行ったLES計算の結果と比較した.その結果,実験結果とLES計算結果は定性的に概ね一致しているが,噴流外縁において定量的な大きな相違があることが分かった. LESを使った数値計算では,乱流エネルギやレイノルズ応力,乱流拡散流束の算出を行い,上記の風洞実験結果との比較を行った.加えて,擬似衝撃波を形成するための流入境界条件や出口境界条件プログラムの改良を行った.そして噴流を噴射を行っていない擬似衝撃波のみが存在する流れ場を計算し,これらの数値計算結果を既存の実験データと比較し,その妥当性を検証した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度,東日本大震災の影響で風洞実験にやや遅れを生じた.今年度はこの遅れを取り戻すため風洞実験により多くの学生を配置し実験を遂行した.その結果,予想以上の研究進展につながった.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は計測システムを構築することに成功し,超音速流中,および擬似衝撃波が形成された流れ場におけるデータの取得に成功した.来年度は噴射ガス種や噴流レイノルズ数を変化させたデータの取得を行い,今年度のデータと併せて,超音速流中における噴流混合の工学モデルの構築を試みる.また実験とLESの結果の相違を調べるため,LESデータの空間デサンプリングを行い乱流拡散流束を算出し,空間解像度の影響を調べる.
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