研究課題/領域番号 |
23360384
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
望月 正人 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10304015)
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研究分担者 |
岡野 成威 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00467531)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 建造・艤装 / 切断・溶接・矯正 / 溶接変形 / プロセス物理 |
研究概要 |
船体工作における切断や溶接,さらには溶接後のガス加熱などの矯正作業に代表される熱加工時の工作精度向上のために,熱加工におけるプロセス物理と熱加工力学の融合により精緻化される熱変形支配因子に基づいた高精度変形予測・制御手法を提案し,これと組立順序の影響を組み合わせた大型構造物の高精度形状予測・制御手法の確立に向けた展開について検討した.すなわち,(ミクロ)プロセス物理・(マクロ)熱加工力学・(メガ)構造体力学 のマルチスケールな連結・融合によってもたらされる,船体ブロックに代表される船舶メガ構造体の革新的な高精度工作,ひいては,より柔軟性のある船体工作の実現を目指した研究開発を進めた.研究実施期間3年間での第2年度における具体的な研究実績としては,(1) 熱源および温度場制御による切断・溶接時における変形低減手法の開発として,前年度までに明らかにした変形低減に有効な制御指針に基づいて,熱源・温度場のハイブリッド制御による革新的変形低減手法を検討した.また,切断・ガス加熱矯正時の温度分布と変形挙動のリアルタイム計測を実施するとともに,船体ブロックの変形制御への展開について考察を加えた.(2) 溶接条件依存型固有ひずみ分布データベースの拡充として,複雑形状・大型構造体の溶接変形予測が可能なように,溶接入熱条件・継手寸法・構造形状に起因する拘束度などをパラメータとして,固有ひずみ分布データベースの拡充を達成した.(3) 組立順序を考慮した固有ひずみ法による船体工作精度評価手法の開発として,まず,組立順序の影響を考慮できる大型溶接構造物の溶接変形解析手法の開発を行い,船体ブロックの工作精度の評価ならびにニアネットシェイプ工作法の有効性を評価するとともに,実機を対象としてその適用性・有効性を確認する準備を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
固有ひずみデータベースの拡充に際し,固有ひずみ発生機構について従来知見により分類されていたものとは異なる機構を見い出し,この機構を解明することにより,より効果的にデータベースを拡充することができることから,机上検討による発生機構評価に優先的に取り組んだため,一部の研究内容を翌年度に実施したが,翌年度実施項目と合わせ,予定通りに完了させることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
第2年度の研究は一部の研究内容を翌年度に実施したが,見直し後の計画通り順調に進展していることから,最終年度も当初の研究計画に沿って,最終的には鋭意計画以上の成果を出すべく研究を推進したい.
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