研究課題/領域番号 |
23360389
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40155859)
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研究分担者 |
小寺山 亘 九州大学, 応用力学研究所, 名誉教授 (80038562)
梶原 宏之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30114862)
胡 長洪 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (20274532)
澤 隆雄 海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 研究員 (50359139)
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キーワード | 海洋工学 / 制御工学 / 水中ビークル / 曳航体システム |
研究概要 |
近年、地震研究・メタンハイドレード探査用超音波式海底地形プロファイラーを使用しての精密な海底断層・地形の調査や、磁気センサーを使用しての熱水鉱床探査が急務となっている。そこで本研究では、調査・探査に悪影響を及ぼす運動を低減することができ、高精度な姿勢・高度制御が可能な高速深海曳航体システムの研究開発を目指す。23年度は研究計画に基づき、(1)ランチャー・曳航体のCFDを利用した形状の検討、(2)運動制御用アクチュエーター、センサーの検討、(3)ミュレーターの構築を行った。 (1)では3DキャドとCFDを結びつけ、模型試験によらず、容易にビークルに働く流体力を求めることができるようにした。これにより多くの機体形状について検討が速やかに行えるようになった。 (2)では海底地形追従のための運動シミュレーションを自立型ビークルを使用して行い、海底との距離センサーの取り付け角度を工夫し高度変化を先取りすることで、海底地形追従性能を向上させることができることを示した。また、スパンが比較的短い主翼端に垂直尾翼を取り付けると静安定に対する垂直尾翼の性能が下がること、昇降舵等の取り付け部分のクリアランスが大きいと舵の性能が極端に劣化することをCFDによる流れの可視化で検証した。 (3)では自立型ビークル,水中グライダーの実機について運動試験結果とシミュレーション結果を比較検討することにより、十分な精度でビークルの運動をシミュレーションできる手法を得た。 さらに、既存の箱型曳航体(実機)に翼を取り付けて行った曳航試験データより、翼により機体形状が箱型でも運動を安定化できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3Dキャドで設計したビークル機体に働く流体力をCFDを利用して精度良く計算できるようになり、機体形状の最適化が模型試験を実施することなく行えるようになった。海底地形追従のための運動シミュレーションをAUVを使用して行い、海底との距離センサーの取り付け角度を斜め前方に向け、高度変化を先取りすることで海底地形追従性能を向上させることができることがわかった。また、ビークル運動シミュレーションではAUV,水中グライダーの実機について試験結果と比較検討することにより、十分な精度でビークルの運動をシミュレーションできる手法が得られた。以上より研究は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、当初の計画に従って曳航体システムの水槽試験用模型を製作し、制御方法の検討、システムの最適化を図っていく計画である。
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