研究課題/領域番号 |
23360393
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
有馬 正和 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70264801)
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研究分担者 |
山崎 秀勝 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80260537)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ソーラー水中グライダー / 群知能海中ロボット / 海洋環境モニタリング / 海洋生態系 / 海中音響観測 / 造礁サンゴ |
研究概要 |
本研究の最終目標は,「グライダー型群知能海中ロボット」を開発し,千機を全地球規模の海洋に展開して,長期に亘る3次元多点同時観測を可能にすることである。本研究では,太陽光エネルギーを用いて長期間の運用が可能となる「ソーラー水中グライダー」を開発し,地球の短期的な気象変動に大きな影響を及ぼす浅海域の海洋環境データをモニタリングすることを目指している。本年度は,(1) 太陽光発電システムの開発,(2) ソーラー水中グライダーの設計,(3) 海棲哺乳類の海中音響観測,(4) 造礁サンゴの画像解析,を行った。太陽光発電を効率的に持続するためには,MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御や過放電防止回路,バランス充電回路が必要になってくる。本年度は,これらの回路を開発して,実験によってその効果を検証することができた。 また,ソーラー水中グライダーの詳細設計を行い,浮力調整装置や画像計測に必要な耐圧容器などの開発を行った。 さらに,ソーラー水中グライダーの運用を目指して,海中音響観測システムを構築して,海棲哺乳類(シャチ,ザトウクジラ,ハシナガイルカ)の音響観測を行い,音源の方向推定が可能であることを明らかにした。さらに,造礁サンゴの画像計測・解析を行い,水中ロボットによる自動観測の可能性を明らかにすることができた。 次年度は,実海域用ソーラー水中グライダーの詳細設計と製作を進め,耐圧試験,水槽試験および実海域試験を行い,ソーラー水中グライダーの実用化を目指していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請時の研究計画に沿って実施することができたので。また,実海域用ソーラー水中グライダーの応用分野として海洋生態系に注目し,海棲哺乳類の音響観測と造礁サンゴの画像解析を試み,実現可能性を明らかにすることができたので。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究推進方策に沿って進めることができると考えている。ソーラー水中グライダーの水槽試験を9月に,実海域試験を12月に予定しているが,実験施設との調整や天候などにも影響を受けるので,若干前後する可能性はある。また,実海域用ソーラー水中グライダーの応用分野として,海棲哺乳類の海中音響観測と造礁サンゴの画像解析を進めていく予定である。
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