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2011 年度 実績報告書

素材間連関を考慮した物質循環評価のためのマテリアルフローモデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23360404
研究機関東京大学

研究代表者

平尾 雅彦  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80282573)

キーワードマテリアルフロー / LCA / 物質循環 / シナリオ分析 / 環境政策 / リサイクル / プラスチック / 紙
研究概要

(1)プラスチックのマテリアルフローモデルの設計と構築
高機能性プラスチック素材として液晶ディスプレイの導光板や水槽・看板に利用され、生産や需要が増加しているポリメタクリル酸メチル(PMMA)の生産量、用途別使用量、特性に合わせたリサイクル手法を調査し、マテリアルフローモデルを構築した。
(2)紙のマテリアルフローモデルの設計と構築
日本で生産・利用される紙全般の品種別生産量や使用量、リサイクル状況を調査し、マテリアルフローモデルを構築した。
(3)ステイクホルダー別の検討シナリオの作成
プラスチック製容器包装のステイクホルダー別のシナリオ検討のために、リサイクル事業者、容器包装メーカー、小売事業者といった様々な利害関係者を対象としてヒアリング調査を実施した。各ステイクホルダーの意思決定項目を整理するとともに、問題解決の方向性を示すシナリオを設定・分析し、ライフサイクルアセスメントに基づく提言を実際にステイクホルダーにフィードバックし、実行可能性についてヒアリング調査を行った。
紙についても、理論的な解析に基づくステイクホルダー関係の整理をめざし、紙循環利用システムにおけるステイクホルダーの役割に基づき、ステイクホルダー間の情報の流れを明らかにしてシステムにおいて発生している問題の因果関係を整理した情報の連関を分析するモデルを構築した。モデリングにおいては統一モデリング言語(UML)において用いられるクラス図の文法を参考とすることで、規格化された表現方法で記述することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マテリアルフローモデル構築については、計画通りに進んでいる。検討シナリオの作成については、プラスチックについてヒアリング調査によるステイクホルダーからの情報収集に加え,分析結果のステイクホルダーへのフィードバックも行った。紙についても、新たな物流と情報流を統合した連関モデル表現方法に挑戦し、成功した。

今後の研究の推進方策

包装素材選択における競合や結合、交差、共有などを例として、これらが定量的に表現できるようなモデルの統合を行う。統合されたフロー全体での環境影響等を評価するモデルを構築する。シナリオ検討に関しては,プラスチックと紙,それぞれのシステム内部の変更に加え,プラスチック製容器と紙製容器の代替や,プラスチックごみと紙ごみの混合による固形燃料化リサイクルなどの素材の境界を越えたシナリオをステイクホルダー間の情報の連関分析モデルを用いて検討・分析する。例えば、廃棄物燃料などのように紙とプラスチックの両方のライフサイクルに関わる点を考慮し、素材選択が与える影響などを分析する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ライフサイクル評価に基づくプラスチック製容器包装リサイクルの利害関係者間の問題解決支援2011

    • 著者名/発表者名
      中谷隼, 鈴木香菜, 平尾雅彦
    • 雑誌名

      廃棄物資源循環学会論文誌

      巻: 22 ページ: 210-224

    • DOI

      10.3985/jjsmcwm.22.210

  • [学会発表] 紙循環利用システムのシナリオ開発2012

    • 著者名/発表者名
      宮田尚史, 菊池康紀, 平尾雅彦
    • 学会等名
      日本LCA学会第7回研究発表会
    • 発表場所
      千葉県野田市
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] 変動リスクに対する柔軟性を考慮した容器包装リサイクルシステムの設計2012

    • 著者名/発表者名
      石川晴菜、中谷準、菊池康紀、平尾雅彦
    • 学会等名
      日本LCA学会第7回研究発表会
    • 発表場所
      千葉県野田市
    • 年月日
      2012-03-07

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公開日: 2013-06-26  

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