研究概要 |
N,N-二置換アミド含有3級アミン化合物について、アミド基が2個のビス型({RR'NC(O)CH_2}_2NR")7種類([R,R',R"]:[メチル,ヘキシル,ヘキシル][ブチル,ブチル,ヘキシル][ブチル,ブチル,2-エチルヘキシル][プロピル,プロピル,2-エチルヘキシル][ヘキシル,ヘキシル,ヘキシル][2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル,ブチル][2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル])及び3個のトリス型({RR'NC(O)CH_2}_3N)5種類([R,R']:[メチル,ヘキシル][ブチル,ブチル][プロピル,プロピル][ヘキシル,ヘキシル][2-エチルヘキシル,2-エチルヘキシル])を用いて、アミドのN-置換基の構造変化による白金族金属の抽出率の変化について調べた。いずれの抽出剤も、(1)塩酸濃度0.5-10mol/Lにおいて、パラジウム及び白金をほぼ全量抽出、(2)ロジウム抽出率は塩酸濃度1-3mol/Lに最大値を示し、塩酸濃度の上昇に伴い著しく低下、(3)抽出したロジウムは10mol/Lで選択的に逆抽出可能、といった抽出挙動を示した。一方、側鎖の炭素数が少ない程、高いロジウム抽出率を示す傾向が得られた。 塩酸溶液中のロジウムおよび白金をN,N-二置換アミド含有3級アミン化合物により抽出し作成した白金族錯体の内圏構造を調べたところ、いずれも塩酸溶液中および有機相中での白金族イオンの内圏構造に差異はみられず、イオン対型抽出であることが示唆された。 この白金族錯体の外圏を含めた構造をX線散乱法により分析したところ、白金族錯体間に生じている排除体積効果を反映した散乱ピークが観測された。この排除体積効果は白金族のオクタヘドラル錯体の外圏で抽出試薬が相互作用を起こし、大きな会合構造がつくられた事が原因と考えられる。
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