研究課題
当初、5GHzマイクロ波の下方からの入射により電子バーンスタイン波のN//のアップシフトをはかる予定であったが、マイクロ波源であるクライストロンの駆動電源の経年劣化が深刻であることが判明したので、かわりに2.45GHzマグネトロン4本からのマイクロ波を用いて、簡易な偏波調整器によるEB波へのモード変換効率の増大をはかることにより、第一伝播領域のEB波励起により加熱・維持したプラズマ性能の高度化をめざした。この場合、プラズマの線平均密度はプラズマ遮断密度の約7倍に上昇するが、プラズマ電流の達成値は、従来の正常波モード入射の場合の10.5kAに対して12.0kAと約14%上昇した。いずれも合計60kWの入射電力での結果である。その後、2.45GHzシステムに20kWのマイクロ波電力の増力と、より本格的な偏波調整機能の付加を進めた。かくして、プラズマ電流を増加させると、プラズマ噴出が約300マイクロ秒前後の時間間隔で間欠的に起き、さらなる電流の増大を妨げていることが分かった。すなわち、約20マイクロ秒の短期間にプラズマ周辺のポロいダル磁場が1-2%減少し、線電子密度は20~30%減少し、AXUV列によるプラズマからの超紫外領域の放射の多チャンネル信号や高速CCDカメラによりプラズマ発光像を解析すると、高温プラズマが最外殻磁気面を横切って噴出していることが分かった。H24年度に行った韓国KSTARトカマクにおけるECH/ECCDによる無誘導プラズマ立ち上げ実験の解析を進め、180kWの基本正常波モードでの斜め入射によりプラズマ電流が14.5kAに達し、直径が50cm程度の磁気面形成が達成されていることを示した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plasma Phys. Control. Fusio
巻: Vol.55 ページ: 125005(12)
10.1088/0741-3335/55/12/125005
http://iopscience.iop.org/0029-5515/labtalk-article/46687