研究課題
TESPELはトレーサーをプラズマの局所に注入できるという大きな特長がある。平成25年度においてはトレーサー粒子の注入位置を今までよりも浅くする目的で外径を従来の約0.7mmから約0.6mmに小さくし、なおかつ厚さが0.075mmのポリスチレンシェル構造にし、トレーサーを封入して実験を行った。その時の各トレーサー粒子からのKa線をX線PHA計測器で観測した結果、従来のトレーサー注入位置であるr/a =0.7からr/a =0.85へとより浅い注入が実現した。その結果、r/a =0.85のトレーサー注入位置でも密度が高い時(衝突周波数がPfirsch Schlueter (PS) 領域)ではトレーサー粒子がr/a=0.7の時と同様に長時間維持されることがわかった。一方、プラズマ外に不純物源があるケースをモニターするために、Arのガスパフ(SSGP)を行って模擬しており、PS領域ではArのKa線が観測されないことから、プラズマ周辺部で外部不純物の遮蔽効果が存在することがわかっている。ここで、その不純物がプラズマ周辺部のどの程度の位置まで侵入してきているのかを新たに調べた。ArのKa線は主としてHe-likeイオンに起因するが、それより低電離のLi-likeイオンやBe-likeイオンからの発光線を観測することでどこまでAr粒子が侵入しているかを推定できる。それらの発光線の観測結果とSTRAHLコードによる計算との比較を行い、プラトー領域ではArがプラズマのコア部に侵入しているのに対して、PS領域ではr/a=0.9までしか侵入していないことが分かった。PS領域においては不純物源の位置によって不純物の振る舞いが大きく異なるわけであるが、その不純物源の位置を分ける境界層はほぼr/a =0.9の近傍となることが分かった。また、不純物からの放射光強度データの蓄積も進んだ。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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