研究課題
ナノビーム形成システムの開発とマルチモーダル分析システムの高度化を行い、PM2.5粒子の個別分析を行った。加速器システムとレンズ系の最適化により、到達ビーム径はX線の収量曲線から導出すると0.6×0.8 μm2となった。到達ビーム径は数100nmを達成できなかったが、二次電子による測定との比較の結果、過大評価であることが分かり、今後ビーム径の評価法を確立する必要がある。またビーム量に関しては、サブミクロン領域径の領域においてビーム量は150pAとこれまでの数倍に向上しており、サブミクロンビーム径での分析も可能となった。開発したシステムをPM2.5大気浮遊塵微粒子の発生源や変性のメカニズムを解明するために応用した。Off-Axis STIM分析を用いて試料のエネルギー損失分布を得ることで、PM2.5の粒子を個別に分析を行うことが出来るシステムを開発した。カスケードインパクターを用いて福岡においてサンプリングを行い、分析を行った。バルク状態の元素の割合は従来の分析結果と類似していることがわかった。Off-Axis STIM分析から得られた試料によるエネルギー損失分布から個別に粒子を選び出し、PM2.5の個別粒子の分析を行い個別粒子に含まれる元素の割合を得た。同時刻に捕集を行ったPM2.5間においても粒子ごとに含まれる元素の割合は異なっていた。これらは、様々な粒子の混ざったものの平均的な状態の分析が主であったPM2.5の組成解析法と異なり、直接的に組成に関する情報を引き出すことができることを示していると考えられる。また、得られた元素の割合から、今回捕集した粒子の多くは、粘土、セメント製造、石炭燃焼、鉄鋼業が発生源のものと考えられ、発生原因をたどる上で非常に有効であることが分かった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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