研究課題/領域番号 |
23360429
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研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 健二 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00159766)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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キーワード | キセノン / クリプトン / 中性子捕獲断面積 / ゲルマニウム検出器 |
研究概要 |
今年度は、希ガスターゲットに対する連続エネルギー中性子照射による中性子捕獲断面積を測定する際に必要となるガス試料の容器を設計・作成した。アルミニウムやステンレスなどを容器の材料とすると中性子がこれらの材料に当たった際に不要なガンマ線を放出し実験時のバックグラウンド信号となり、精度の良い測定が困難となることが予想された。そのため、試料容器の材料にFRPを使用し、中性子が透過する窓部分にはカプトンフィルムを採用することで、可能な限りバックグラウンド信号の低減を測ることとした。 測定効率を上げるためには容器内のガスの圧力を高め容器中のガス原子の数密度を上昇されることが考えられるが、その場合は高い圧力に耐えられるようにするために試料容器の壁の厚さを厚くする必要がある。しかし、今度は軽い元素で構成されバックグラウンド信号が少ないFRPやカプトンを使用してもバックグラウンド信号が増加することが予想されたために、試料容器中のガスの圧力は1気圧を想定した。 また、試料容器にはターゲットとなる希ガスのみが充填され、空気などの不純物を極力封入しない事が重要となる。そのためにターゲットとして使用する純度の高い同位体濃縮ガスを効率よく試料容器に充填するためのガス封入容器を設計・作成した。 中性子捕獲断面積測定実験を実施予定のJ-PARCの中性子核反応測定装置(ANNRI)のゲルマニウム検出器の応答を簡易体系で検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度の早い時期にJ-PARC施設において加速器からのパルスビームを使用した中性子捕獲断面積の測定を実施する予定であったが、J-PARCでの放射線漏洩事故のためにこの施設でのテスト実験が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
J-PARC施設の中性子核反応測定装置ANNRIにおいて、まず天然同位体の希ガスターゲットでパルス中性子ビームを使用したテスト実験を実施し、バックグラウンド信号などの実験上の問題点を検討する。その対策を行った後に同位体濃縮ガスを使用した中性子捕獲断面積の測定を行う。
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