研究課題/領域番号 |
23360429
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 健二 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00159766)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中性子捕獲断面積 / キセノン / クリプトン / J-PARC |
研究実績の概要 |
本年度は、希ガスターゲットに対する連続エネルギー中性子捕獲断面積の試験を12月に実施した。実験はJ-PARCの物質・生命科学実験施設の中性子核反応測定装置ANNRIの高効率ゲルマニウム検出器セットを使用した。ガスターゲット容器の構造や材料の最適化を行うために、アルミニウムやカプトンなど複数の材料から放出されるバックグラウンドとなるガンマ線の測定を行った。ターゲット容器の構造を二重化し外側をANNRIのビームダクトと同形状、内側を小型にしてガスを収納する部分とすることで、安全性を高めた上でバックグラウンド放射線の影響を低減することができることがわかった。物質・生命科学実験施設では中性子パルスの時間構造として1つ目のパルスと2つ目のパルスが600 nsという短い時間であるため、飛行時間法による中性子エネルギー測定では1つ目のパルスで測定システムの動作が開始されたにも関わらず2つ目のパルスによる事象を検出する場合があるため、その影響を調べた。
キセノンとクリプトン同位体に対する中性子捕獲断面積を含む20 MeVまでの中性子入射原子核反応断面積の精度向上を原子核反応計算コードCCONEを使用し、最近新たに公表された実験データを再現するように計算で使用する多数のパラメータを調整し最適化を行った。この結果、前年度までに実施した際に参考にした実験データと今年度新たに公表された実験データのどちらに対しても再現性が高い断面積の計算結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
J-PARCで過去に発生した事故等により、ガスターゲットを使用するための基準が相当程度引き上げられたため。基準に適合した上でバックグラウンド放射線の影響を低減することが困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
ガスターゲットを使用するための基準に適合した上でバックグラウンド放射線の影響を低減するために、アルミニウム材料を使用してターゲット容器の構造を改良した上で実験を実施する。
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