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2011 年度 実績報告書

サービス水準を考慮した家庭用エネルギー最適需給統合評価

研究課題

研究課題/領域番号 23360432
研究機関東京大学

研究代表者

岩船 由美子  東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (20512007)

研究分担者 荻本 和彦  東京大学, 生産技術研究所, 特任教授 (20514582)
キーワードシステム工学 / 省エネルギー / 新エネルギー
研究概要

本研究では「エネルギー需要」を規定するサービス水準を明確にすることを出発点とし,技術や政策的手段によるその変容の可能性について検討する。そして必要水準を満足する需要から供給にいたる各種パスを総合的に評価するための「家庭用エネルギー最適需給統合モデル」を構築することを目的としている。初年度の23年度は,実証試験住宅において,太陽熱温水器,CO2冷媒ヒートポンプ給湯器,潜熱回収型ガス給湯器,エアコンを各種条件にて運転試験を行い,機器の運用方法を変化させた場合に,消費電力(ピーク時電力及び電力量)と居住者の快適性がどのように変化するかをシミュレーションすることによって機器の制御可能性に関する検討を行った。
・給湯器関連の実測
給湯需要を模擬的に発生させ,太陽熱-潜熱回収型ガス給湯器,太陽熱-CO2冷媒ヒートポンプ給湯器を交互に運転させ,季節ごとの太陽熱回収量,運転特性データを収集した。これまであまり分析が行われていない太陽熱温水器における集熱量の季節依存性,バックアップ用給湯器の負荷率依存特性,外気温依存特性などを分析するためのデータが得られつつある。
・エアコンの運転方法の変化によるピークシフトの可能性の検討
エアコンの運転条件(時間,温度)を変化させて運転させ,室内温度・湿度分布,消費電力を計測した。データを分析し,快適性を維持したままで電力ピークをシフトさせることができるかどうかについて検討した。エアコンの運転特性を表す波形が得られ,省エネとピークシフトのトレードオフ関係などについて一定の知見を得た。今回は,冬期しか実験できていないため,夏期も同様の実験を行い,分析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

機器特性実証試験を行うことを計画していた実証試験住宅の竣工が,東日本大震災の影響で建材や人材の不足により遅延が生じた。そのため,計画に若干の遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

本研究では,省エネ,創エネ,エネルギー貯蔵など、家庭部門のエネルギー消費に影響を与えるすべての要素を把握し分析することを目的としているが,自動車については運輸部門のエネルギー消費として当初の計画では対象外と設定していた。しかし,昨今普及をみる電気自動車は,家庭で充電されることも多く,搭載電池容量も大きいことから,今後の家庭用エネルギーの需要としても,調整力としても,考慮しておくことは極めて肝要であると考える。よって来年度以降は,電気自動車も対象として検討を計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 住宅用分電盤電流データを用いた機器稼働状況推定手法2011

    • 著者名/発表者名
      岩船由美子, 荻本和彦, 八木田克英
    • 雑誌名

      電気学会論文誌B

      巻: 131(7) ページ: 542-549

    • 査読あり
  • [学会発表] 住宅の空調制御による需要シフトに関する検討2012

    • 著者名/発表者名
      山田雄吾, 岩船由美子
    • 学会等名
      電気学会全国大会
    • 発表場所
      広島工業大学
    • 年月日
      2012-03-22
  • [学会発表] 住宅における給湯需要の予測手法に関する検討2012

    • 著者名/発表者名
      岩船由美子, 荻本和彦, 八木田克英
    • 学会等名
      第28回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス
    • 発表場所
      砂防会館
    • 年月日
      2012-01-31
  • [学会発表] 住宅における空調負荷の可制御性に関する基礎的検討2012

    • 著者名/発表者名
      山田雄吾, 岩船由美子
    • 学会等名
      第28回エネルギーシステム・経済・環境コンファレンス
    • 発表場所
      砂防会館
    • 年月日
      2012-01-31
  • [学会発表] Detection of Operating Condition in Home Appliances Using Current Data on Electric Distribution Boards2012

    • 著者名/発表者名
      Y.Iwafune, Y.Yagita, K.Ogimoto
    • 学会等名
      IEEE PES Conference on Innovative Smart Grid Technologies (ISGT 2012)
    • 発表場所
      Washington D.C./U.S.A.
    • 年月日
      2012-01-18

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公開日: 2013-06-26  

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